中村社長のコラム「保護者」から「親」へ … 子育ての評価とは?  PART23 ~「幸福感」は強い心のエネルギー源!!…その②

世界水泳福岡大会…で盛り上がった今年、実は世界水泳終了後の8月2日~11日「世界マスターズ選手権」が開催されたことはご存じでしょうか?私もマスターズスイマーの端くれとして、6名のNAPチームのメンバーと共に挑戦しました!

会場は世界水泳が行われた福岡マリンメッセの特設プール(水深3メートル!)。スタートリストを確認すると隣のレーンはカナダとチリの選手。競泳歴50年にして初めて外国人とのレースを体験、コース台に立った時は現役時代の緊張感が蘇ってきましたね。結果は…ドベではなかったことをご報告致します!2024年はドーハ、2025年はシンガポールでの開催です。皆さんでツアーを組んで出場したいですね。

さて、前号では我家の不登校第一号である次男の結婚をご報告させていただきました。その後、会員様や読者の皆様から祝福のお言葉をいただきました。この場をお借りし改めて御礼申し上げます。ありがとうございました。

結婚式は出席者の約3分の2が友人・職場の同僚という「友達に囲まれた結婚式」。極々一般的なセレモニー・パーティーでしたが、幸福感あふれるものだったことをご報告させていただきました。今号ではこのような結婚式を迎えることができた背景を不登校を含めた次男の成長を振り返り、私なりに考えてみたいと思います。

目次

心の成長のやり直し

次男の不登校が始まった頃は表向きには平然としていたものの本音は「どう対処したらいいのか」と引きこもる次男に対して葛藤の毎日でした。しかし、子育てヒントのお話し会でお馴染みの樋口邦彦氏の子育て論と心の発達理論の学びにより、次男の一連の行動を肯定的に見守ることができました。

それにより、不登校=「引きこもり」は、つまるところ子ども自身が心の成長を取り戻すための行動だったと私の中では結論づけている…正確にはそのように考えるとすべての行動が理解できると共に、世間一般で言われている「問題行動」ではないと思えるのです。

 

当時を改めて振り返ると、次男が小学校4年に進級した年、子ども達の成長を考え子ども達だけで寝る生活スタイルに変えたのですが、次男は不登校が始まる前の2学期の終わりに「お母さんと一緒に寝たい」と訴え、妻と子ども達で寝るというスタイルに戻したことを思い出します。そのころから休みがちになり、学年末の3月から6年の1学期にかけて不登校。その間の次男の行動は、一日中家でゲームをしていたかと思うと漫画を読み始めたり、庭で土いじりをしてみたり…また、思い出したように学校へ行ったかと思うとまた行かなくなったり…と行動に一貫性はなく思いつきの行動を繰り返していました。勿論私や妻からの指示や要請も拒否することが多く、それまでよく言うことを聞いてきた次男とは全く違っていたことを思い出します。

不登校は「イヤイヤ期」への退行

このような行動から不登校時は「学校へ行きたいのか行きたくないのかわからない」ひいては「何がしたいのかわからない」のではないかと感じました。なので、登校という親や外社会からの強制的日常を拒否し、その日その日の自分の意志により一人で思い思いに行動するスタイル=2~3歳の「イヤイヤ期」への退行(赤ちゃん返り)と思えるのです。更にはその前の母親を求める行動は正に乳児期に戻っていると考えると納得がいくのです。

そして、登校するようになった要因は「友達との関係」です。

子ども同士の関係形成=登校

このような状況が続いていましたが、6年に進級してからは、友達と遊ぶと言って家を出る日が増え、それに伴い登校する日も徐々に増えていきました。そして、当時夏休みに行われたテレビ朝日主催の「小学生クラス対抗30人31脚」にクラスで出場することとなり、その練習会に毎回出席。その延長で6年の2学期から休まず登校し、中学へ進学。中学校では、それまで常に県大会で上位に入賞するレベルだったた水泳をあっさり辞め(涙)、仲の良い友達と一緒にバレーボール部に入部。毎日部活が楽しみで登校していたようで、入学式翌日に休んだだけで卒業まで皆勤でした。実は今回の結婚式に小学校6年のクラスメイトが4名参列してくれていました。

心の発達段階の理論から

ここで、少々理論的な話になりますが、NAPでは各プログラムに心の成長段階の理論を基本として実施しています。その理論とはE・Hエリクソンのライフサイクル論ですが、特に子どもプログラムではその理論を応用した「遊びの発達段階」という理論を基本としてます。簡単に説明すると、1歳~2歳頃にかけて母親もしくは母親的存在の人の手の中で遊ぶ段階=「親子遊び」。2歳頃から4歳頃にかけて、その安心を基本に一人で思い思いに遊ぶ段階=「一人遊び」。4歳から10歳にかけて子ども達だけの世界をつくり自分達で作ったルールに従って遊ぶという行動=「群れ遊び」。10歳を超えると外社会を理解しはじめることでルールの意味を理解し決められたルールの下で勝ち負け等評価を楽しむ遊び=「集団(評価)遊び」。という4つの段階を踏んで心が成長していくという理論を基本としてます。

 

その理論に照らし合わせると、不登校が始まる前、妻に一緒に寝たいと要求する行動は「親子遊び」に、そして不登校時の行動はまさに「一人遊び」そして、友達との関係が持てるようになった=群れ遊び段階に入ったことから登校するようになったと考えるとすべての行動が納得できます。

「三つ子の魂百まで」・・・10歳までの心の成長が幸福の基盤

今回の結婚式に対する次男の行動をみていて私が感じたことは、この一連の発達段階のやり直しがベースになっていることです。まず、親を中心とする周囲の働きかけに抵抗し(イヤ!)一人で思い思いに行動することにより「意志」という感覚を掴み、その意志の感覚を基に「友達」という「群れ」に興味を持ち、その群れに入り込み、群れの中では子ども達だけの集団により、ぶつかり合いながらも様々なコミュニケーション能力を培うと同時にその関係を楽しんでいくのです。

 

この一連の発達段階を十分にやり直したことにより、コミュニケーション能力=「良好な関係」を築くことが出来たのだと思います。実は登校の切っ掛けとなった小学校6年生のクラスメイトが鹿児島で行った結婚式に4名、わざわざ山口・広島から参列してくれていました。その自分自身の「意志」そして群れ遊びで培ったコミュニケーション能力をもって、中学・高校・大学・そして職場とそれぞれの成長に合わせた環境での仲間づくりが結婚式に表れていたと思えるのです。

今回の次男の結婚式を経験して、「遊びの発達段階」の理論で言う「親子遊び」による愛着の形成、「一人遊び」による「意志」の感覚の獲得、そして「群れ遊び」による同世代との群れによるコミュニケーション能力の培いが将来の「幸福」の絶対的土台となるのではないかと思います。その意味でNAPの子どもプログラムは子ども達の将来に大きく関係するプログラムとして使命感をもって続けていかなければならないと思うのです。

 

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