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「岸壁の母」という歌を知っていますか?
戦地に行った息子はもう帰らないかもしれないと知りながらも、諦められない我が子の帰りを海の彼方を見ながら待ち続ける母の姿を歌っています。私はもちろん戦争の体験はありませんが、子を思う母の気持ちは今も同じ。戦時中は、生きていくのが精一杯。命さえあればと願った時代だったでしょう。
子育て観の多様
今は、戦時中ほどの命の危険がなく、平和な時代。その代わり、さまざまな知識が溢れ、損得勘定を身につけ生産性を求めているように思います。幸せの価値観が定まった親が子どもにも生産性を求めていくことがあるかもしれません。今の子どもは周りの大人の事情に振りまわされていることが増えてきたように思います。
ただ健やかに
何かの事情がないかぎり、親は子どもが生まれてきて良かったと歓迎します。愛情いっぱいで育てていると思います。子どものことを思って一生懸命育てます。でも、私たち戦後の高度成長期がピークを迎えた頃以降に育った世代は、命だけあれば充分だと思うことが難しい時代だと言えます。便利な生活用品にも恵まれ、核家族化が進みました。情報化社会といえる世の中で良かれと思ったあらゆる知識を子どもに還元してやりたいと願ってしまいます。それが子どもにとって幸せなのだという親心を持ってしまいがちになります。私もそうです。その思いは取り除けません。
ただ「岸壁の母」の心を、目の前の子どもは望んでいるのかなと思うのです。
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