『自分の事は自分でできる』基盤を育む
成長の証だとはわかっていても、目が離せません。そんな子ども達にうんと楽しんで欲しいと考えたプログラムが『なっぴ~くらぶ』です。赤ちゃんの時に、お母さんを信じる心(基本的信頼感)を獲得した子どもは、次の成長段階で動き回れる筋肉が発達し、『外に出ようよ』『あれをしたいな』などの欲求が高まります。つまり、『自分のことは自分でできる』自律能力を培っていく時期になります。『ひとり遊び』や『イヤイヤ期』とも言われています。
この時期は特に、身近な人がやっていることの真似や繰り返しが、子どもの『意志(成し遂げようとする心)』の育みにつながります。
プールでの活動はケガも少なく、動きたい欲求にうってつけ。個々の子どもの欲求に寄り添ったプログラムは、この時期の子どもにとって満足のいくものになると、私たちは考えています。
「自律性」VS「恥と疑惑」という概念の芽生え
心理学者エリクソンは、ある程度の言葉の理解とそれを操ることができつつあるこの時期は、次の①か②どちらかの行動をとると唱えています。
①人の意志に逆らうことで愛情を失うことを恐れ従順になる
②人の気分を多少害しても自分の欲求を押し通し、自己主張してもいいだろうか、という葛藤を解決し、好きな時に我を出したり引っ込めたりできる
①と②どちらの行動が『自律性』あるいは『恥と疑惑』の芽生えになると思いますか?
答えは①恥と疑惑(人に従順になる)
②自律性(自己主張する)です。
なっぴ~くらぶは、『意志(成し遂げようとする心)』を発揮して『自律性』を育んでほしいと考えたプログラムを展開しています。
なっぴ~くらぶの遊び
『自律性』アップには『ひとり遊び』が必要です。母親が近くにいると、母親の手を振り払ってでも自分の興味のある遊びをします。
教室でも興味関心を持って取り組める遊びを仕掛けていますが、そこにはコーチが母親的に子どもに寄り添い安心できる環境が必要だと考えています。そうすることで、子どもの意志がでてきて自分の見つけた遊びに夢中になって楽しめるはずだからです。
温水プールで遊ぶということ
もし砂場遊びでほかの子どもに砂をかけてしまったらどうなるでしょうか。子どもを叱ったり、その子に謝ったりと大変です。でも、プールの中で水のかけ合いをするのは平気。目や口に水が入っても害はありません。顔にかかって嫌でもちょっと払えばすぐ目はあけられます。ジャンプして飛び込んでも足は痛くなりません。
『禁止』されるということは子どもにとってはストレスになります。禁止ばかりだと子どもは素直に自分を出しにくくなくなってしまいがち…だからこそ、温水プールで思い切り発散して欲しいのです。
教室ドキュメント自分でできるのがうれしい
なっぴーくらぶではプールに入る前にみんなで体操をします。
3ヶ月に一度体操を変えていますが、ちょっとお休みしていたえいすけ君。最初は新しい体操の歌にうきうきしていました。でも、みんなが踊り始めるとお母さんの後ろに隠れて泣いてしまいました。
普段あまり泣いたりしないので、どうしたのかなと思っていたのですが、体操が終わってお母さんに聞いてみると、『みんなが踊れるのに、自分だけできないのが悔しくて恥ずかしいんだと思います』と教えてくださいました。
翌週の体操の時間、お母さんから「お家で練習してきました」と聞き、えいすけ君を見てみると少し不安そうな顔…大丈夫かなと思っていたのですが、曲が始まるとみんなと一緒にすごく楽しそうに踊り始めました。
できる!ということが子どもの自信につながり、おもいっきり楽しめるということを改めて実感した出来事でした。
子どもに寄り添っていると子どもの意志(やりたいこと)が見えてきて、寄り添いの大切さを感じています。それでも私たちが分からないことを保護者の方はお見通しで、ご協力にとても感謝しています。
日々の家事・育児の中で時間を確保することは難しいことだと感じています。ですから、私たちスタッフが代理母として、子どもたちの気持ちに寄り添いながら、ほんの少しでもお母さん方のお力になれたらと思っています。
なっぴーくらぶ責任者 吉本 萌子
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