元気ッズでは毎月イベントを行っています。元気ッズのイベントは教室内容と関係したものになっています。
秋からスタジオで考えた『地球温暖化』・・・そして子どもの興味を探りながら『季節の食べ物』『都道府県』『地産地消』について考える活動を行い、その活動をイベントでさらに深めました。イベントを通じて多くの体験と経験を・・・そしてひとり一人の性格や考えの違う子どもの成長を願っています。
12月 炎の温かみ
ナップの駐車場(休館日)でバーベキューコンロを使用したアウトドアクッキングを行いました。
子ども達が集合して何を買うか話し合い、決まったら買い物、調理、最後にプール活動でした。
駐車場で、あちこちで走り回っていた子ども達は、いざ暖かい炎がおきると、物珍しそうに集まり暖をとり始めました。炭や薪で起こす炎は、言うまでもなく赤い炎。人類は炎と共に、進化してきました。一昔前の日本は、台所にかまどがあり、薪でお風呂をわかし、身近に赤い炎があるのが日常でした。現在では、ガスコンロやIHクッキングヒーターなど、青い炎や熱のみを伝える家電に囲まれています。
炎を見て、なんとなく落ち着いていた子ども達。炭の炎が安定してくると、じっくり熱が伝わってくるので、小雪がちらつき北風が強い中でも、寒さを忘れていられました。子ども達の表情に、自然に笑みがこぼれてくるのも、炎の影響が強いからかなと思いました。
炭の炎が安定したら、子ども達が買い物をして下準備した食材を焼いていきます。パンやおもち、じゃがバター、焼き芋などなど、焼きたての食べ物は本当に美味しそうで、あっという間になくなってはまた焼くのくり返しです。
一番人気は、焼きマシュマロ。マシュマロを竹串に刺し、それを子ども達自身が炭火に近づけて焼いていくので、おいしく焼き上がるかどうかは子ども達次第というのも、人気の秘密。焼きすぎると黒焦げになったり、溶けて下に落っこちてしまったりしながら、絶妙の焼き加減を探っていきました。ガスコンロのように安定した炎ではなく、場所によって熱の温度にムラがあり、それがまた面白いのです。
もちろん、炎の取り扱いは要注意です。放っておくと、いつの間にか火遊びを始め、注意してもまた始める、というのはこの手のイベントでは恒例の風景です。しかし、炎の熱さ、勢い、燃え広がり方…体験的に学んでいくことができます。今回のイベントでも、低学年の子が火をつけたがりましたが、高学年が「いや、おまえらにはまだ早い」と言い、そ れでもなんとか関わりたいと思っていると、「じゃぁ、薪になる木を拾ってきて」などの役割分担も自然とできていました。危険を避けることを教えるのでなく、危険のある中でどのようにリスク管理をするかを学んでもらうことを重視しています。
ゆる~い縦関係
元気ッズクラブでは、緩い縦関係が形成されています。小学校などでは、年齢や学年に応じて役割分担が与えられ、その通りに振る舞うことが求められますし、それはそれで大事なことです。しかし、決められた役割があるということは、それをこなす能力が身についても、それ以上にはなりません。
もっと深い人間関係とか、私達が気づかない役割とか、そういったものを形成するには、枠を決めるのではなく、子ども同士が自然と役割形成を行うことができる環境が必要で、そのためには元気ッズクラブの緩い縦関係はとても適していると思うのです。
1月 子どもを信じる力
ピザ作りをみんなで行いました。何をピザに乗せるか、トッピング案は話し合いで決定し、何をどのぐらい買おう、ということも、決まりました。あとは役割分担です。そして、買い物班とピザ生地をこねる班に分けることに決まりました。
問題は、「高学年が買い物、低学年がピザ生地をこねる」と話し合いで決定したことです。私達の思惑としては、力が強い高学年がピザの生地をこねてほしかったので、せめて数名の高学年は残ってほしかった、というのが正直なところです。
しかし、ここで班編制を変更してしまったら子ども達に不満は残ると思います。
低学年の子は、自分たちの意思で「生地をこねたい」と言い、高学年の子は、地産地消の考えを理解し、なるべく山口県産の食材を買おうとしていました。そこで、スタッフ数を調整(買い物のスタッフを一人ピザ班にする)して対応しました。
時として、私達は子どもに最初から「こうあるべき」という考えを押しつけがちです。概念としては正しいかもしれませんが、一方的では、子ども達が話し合い、時には衝突したり、ダダをこねたりしながら、誰かがフォローして話の落とし所を探っていく、そういった過程を経験するチャンスが損なわれてしまいます。
ですから、元気ッズクラブでは、必要以上には口出ししないことを重視しています。そうなると、当然、意見の相違、言い合い、ケンカが発生する可能性もあります。そこで不満を感じてしまう子どももいます。
しかし、転ばぬ先の杖で事前に子どもの行動に制限を設けすぎると、子どもの成長を奪い、私達の指示に盲目的に従う子どもを育てることにもなりかねません。子どもの発言や行動を信じることがどれだけできるか、そこにこの教室の存在意義が問われていると考えています。
元気ッズ責任者 岸 健一
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