中村社長のコラム- 「保護者」から「親」へ … 子育ての評価とは?PART2 ~ 不登校は赤ちゃん返り?-

前号のコラムに対して・・・

沢山のご意見、ありがとうございました。心より感謝申し上げます。その中で文字数の関係で省略した次男の不登校の現象を詳しく知りたいとのご要望が多く、不登校(引きこもり)と子どもの自立、それと共に「保護者」そして「親」というものについて、今一度考えてみたいと思います。尚、今回のテーマでは紙面文字数による文の省略は致しませんので、3回に分けてお伝えします。悪しからずご了承ください!

 

最初に申し上げておきますが、私としてはこのコラムを通じて、不登校・引きこもりの解決策を提案するわけでも、自分の考えや保護者・親としてのスタンスが正しかったと言うことを主張したいわけでもありません。なぜなら、不登校(引きこもり)は様々なケースがあり、一つの現象だけで語れるものではありません。また、不登校児だった次男が自立し社会人となったものの、これからどうなるか…まだまだ結果が出たわけではないからです。ですから、我が家のケース、そして私の考え、親・保護者としてのスタンスをお伝えすることで、社会問題化している不登校・引きこもり、そして子どもの自立について皆様がお考えになるきっかけになればと思っております。

 

目次

「お母さん、一緒に寝て欲しい」・・・不登校の前兆

「(次男が)『おかあさん一緒に寝てくれ…』って言うんだけどどうしよう」

 

次男が小学校4年の12月だったでしょうか、妻が相談してきました。私は、次男の要求に応えることが必要だと考え、その日から妻は子ども達と、私は一人別室で寝るという生活がスタートしました。

ちなみに、それ以前は一つの部屋で両端に私と妻、間に3人の子ども達、いわゆる「川の字」で寝ていました。子ども達は毎晩誰がどこに寝るかでじゃんけん大会。勿論一番の勝者が妻の隣、一番の敗者が私の隣であることは言うまでもありません(涙)。そんな状況が4年くらい続いていたのですが、子ども達も大きくなり(当時長男が小学校6年)部屋も狭くなったので、夫婦と子ども達と別室で寝るようにして半年が経過した頃でした。

 

その後、次男は寒さも増す三学期に入り、ポツリポツリと「頭が痛い」などと体の症状を訴えて休むようになりました。そして、3月に入って全く学校へ行かなくなったのです。

 

不登校の始まり・・・「いやだ!」

学校へ全く行かなくなった次男に対して、勿論最初は登校をするように促しました。しかし、次男は「いやだ!」と言って登校しようとしません。3日くらいその状況が続いたでしょうか、私もしびれを切らして「行かなくていい!」というとまた同じ反応。だったら登校するのかと思いきや、全く登校しようとしない…そして、家にいるのだったらと、あれこれ家でできる事を提案するも、何を言っても常に「いやだ!」ばかり。今となっては笑い話ですが、当時「訳が分からん!」と頭を抱えたことを思い出します。

 

それからというもの、次男が日々何をしていたか詳しくは知りませんが、外へ一歩も出ることもなく、毎日家の中で過ごしていました。その行動に「一日家にいて、よく飽きないな?」と感心してしまうほどでした(笑)。

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そうしているうちに4年が終了し、5年へ進級。5年生では月に一、二度思い出したように登校することはありましたが、完全な不登校に近い状況が続きました。そしてあっという間に5年の学期末を迎え6年へ進級。殆ど学校へ行っていなくても進級ができるとは、義務教育というものはありがたいものです。

 

6年の2学期から休まず登校 友達との関係が要因?

6年になってからは修学旅行もあり、次男は徐々に登校する頻度が増えていきました。そして、一学期末に担任の先生から提案された、クラスイベント(テレビ朝日主催・30人31脚への出場)をきっかけに友達との関係が深まったのか、夏休みも学校や友達の家に行くことが多くなり、2学期に入って毎日登校するようになりました。その後、卒業式まで休むことなく登校したのです。…めでたし、めでたし!?

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…と日本昔話ではありませんが、実際の現象をお話しするとこのような状況でした。

ふり返ってみるに、○○があったから不登校が始まった、○○がきっかけで登校するようになった…という要因は、はっきり言ってわかりません!(すみません…)強いて言うなら登校に関しては、友達との関係が広がったことが関係していることは考えられますが、決めつけられるものではありません。

ここで、これらの現象(次男の行動)を見てみて何か気づくことはありませんか?特に子育て経験のある皆様には思い当たることがあるのではないでしょうか?次男が小学校4年の冬から始まった一連の現象は、人間が生まれてから幼児期・児童期初期に至るまでの現象とほぼ一致するのです。

 

幼児期の心の発達による行動に酷似している?

人間は生まれてから、しばらくは親(保護者)大抵の場合、お母さんと密着した日々を送っています。そして歩けるようになった頃(1歳頃)からお母さん(保護者)が側にいてくれれば少しずつ離れて行くようになります。

2歳頃になり歩くことを含め、体を思うように操れるようになると様々な行動が表れ、それと同時に「いや!」が始まりますね。この時期のことを一般的には「第一反抗期」などと呼ばれています。この時期はまだまだ友達や兄弟と一緒に遊ぶには至りません。公園などでこの年齢の子が遊んでいるのをみると、同じ場所にいても皆やっていることはバラバラ。時にしておもちゃの取り合いが始まりけんかに至ることも…。側にいるお母さん達が「どうして仲良くできないの!」と叫ぶ姿もよく見かけられますね(笑)。

そうこうしているうちに3歳から4歳くらいになると徐々に兄弟や友達と一緒に遊び始めるようになります。そして、幼稚園・保育園など、子どもが集まる場所では、子ども達は群れをなして遊び始めます。その遊びとは基本的に何かを真似るもの、つまり「ごっこ遊び」をしながら、自分たちでルールを作るなど集団を形成し、その中での人間関係を感覚的に学んで、対人関係を含む社会生活の準備を行っていきます。

これは、あくまでも一般的な乳・幼児期の一連の行動ですが、先にご説明した次男の行動はこの時期の発達と考えると納得できるのです。

 

不登校(引きこもり)とは「赤ちゃん返り」?

子どもに不登校も含め、心に問題が発生した時、心療内科の医師や臨床心理士等の専門家は、母親が一緒に寝たり、ご飯を食べさせたりと赤ちゃんのような関わりをすることを指導される場合が多いと聞いています。このことから考えるに次男の不登校の現象は赤ちゃん返り、心理学の用語で言うなら「退行」の現象であると私は捉えています。いや、そう考えると次男のすべての行動が理解できるのです。

では、なぜそのようなことになったのか?…それについては次号で詳しくお伝えします。お楽しみに!?

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