つながる心 ひとりじゃない、チームだから戦えた 27人のトビウオジャパン

本書はロンドンオリンピック競泳日本代表の選手たち(松田丈志・北島康介・寺川綾選手ほか)がオリンピック終了後に書いた本です。代表なので4月の選考会終了後に作られたチームです。下は高校1年生の女子から29歳の北島選手までいる、にわかチームです。読んでいくと、オリンピックの為だけに集まった集団の割には、とても良くまとまっていると思います。

日本や海外での合宿の時から、オリンピック経験者が初出場組をお世話し、自らの失敗体験を基にミーティングなどをしていたようです。また、普段の生活も共にしていく中で、少しずつまとまっていったのだと思います。その結果として、選手村の入り口にコミニュケーションボードがあり、それを通じてお互いに励まし合ったり、結果を評価し合ったりしていたそうです。また、オリンピック最中には「応援の場所取りをすることが楽しみになっていた」と言っていた選手もいました。こういうチームだから、金メダルこそとれなかったけれど、競泳史上最多11個のメダル獲得に繋がったのだと思います。そして、このような『心がつながる』人間関係ができていったのだと思います

ロンドンオリンピックで失敗した最年少の渡辺香生子選手が、1年後の世界選手権で金メダルを取った後、テレビリポーターで来ていた寺川選手の所に行き号泣したのが良い例だと思います。また、加藤ゆか選手も「北京の時は1人で戦っていたがロンドンは違った」と言っています。

オリンピックチームはキャプテンに松田選手を指名し、副キャプテンはタイプの違う藤井拓郎選手。松田選手によると女子は寺川選手を中心に任せていたそうです。日本代表の上野監督に「試合前に何かやれ」と言われて北島選手が「ワンパをやる」といったそうです。ワンパとは水泳独特の言葉で円陣のことを指します。円の中心に一人が入って声掛けをし、それに円の周りのメンバーが答えるというものです。中心の声出しは藤井選手が萩野選手を指名。こういった、決して自然発生ではない何等かの仕掛けがあったということです。

NAPには泳力レベルこそ違えジュニア学童クラスや競泳クラスがあります。これを単なる「クラス」から、「まとまったチーム」にすることにより共通の目標を持った集団となり親密性が高まり、泳力の向上、教室の楽しさや充実感に繋がっていくのだと思います。

学童・競泳は小学生から高校生の集団になるので必ずコーチからの仕掛けが必要になると思います。それによってクラスづくり、チームづくりが決まっていくと思います。

楽しい教室づくりのために、これからも色々な仕掛けを考え続けていきたいと考えています。

ジュニア学童主任 吉岡淳

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