更なるレベルアップを目指して!平泳ぎキック編

春はなんだか心も体もウキウキする季節。特に今年は7月から東京オリンピック開催予定だったため、日本中が多いに盛り上がりましたね。これまで過去のオリンピックを振り返っても、水泳はたくさんのメダルを獲得してきました。もちろん今年もメダルの期待大でした。それだけ注目をされている競技なのです。NAPでもマスターズ水泳を楽しまれている方がたくさんいらっしゃいます。大会に出なくても、泳ぐことの楽しさ・気持ち良さを伝えていければ・・・と思っています。

さて、前号では背泳ぎをテーマに細かくお話してきました。今回から四泳法の中でも最も難しいと言われる、平泳ぎに入っていきましょう。平泳ぎは今までの泳法と比べキック方法が特殊な種目です。キックで8割前に進むとも言われています。今回はそのキック方法に注目しながらお伝えしていきたいと思います。ぜひ参考にしてみてください。

 

目次

☆正しいキック☆

はじめにも書きましたが、平泳ぎのキックは四泳法の中で習得するのが最も難しい動作です。前回までのクロール・背泳ぎのキックは、共に親指が重なるくらい内股で行うものでした。(バタフライも同様)しかし平泳ぎのキックだけは、つま先を外に向けて足の裏全体で水を蹴ります。足の裏に水の重さを感じることができれば、効率の良いキックができているということです。詳しくは、それぞれの疑問点に応じて説明していきましょう。

平泳ぎキックの種類

平泳ぎキックは大きく分けて2種類あります。

①ウエッジキック

②ウィップキック

ウエッジキック

両膝・つま先を外側に向け、股関節を大きく開いて蹴る方法をウエッジキックと言います。一般的によく使われるキックで、初心者にはおススメのキックです。

 

 

②ウィップキック

両膝の間隔を狭くし、水の抵抗を少なくして蹴る方法をウィップキックと言います。主に競泳選手が使うキック方法です。

 

 

ここからはウエッジキック方法をもとに、実際に「平泳ぎがうまくできない・・・」という方の質問に答えていきましょう。

 

Q1.キックの時、あおり足になってしまう・・・

A. 平泳ぎのキックは足の裏全体で水を蹴ります。足の裏で水を蹴るためには、まず足の形がどうなっているのかを知ることが大切です。それでは、順を追って練習方法を説明していきましょう。

 

①座った状態で平泳ぎキックの形を目で見て覚えていきましょう。

 

②プールサイドにうつ伏せになってキックをしてみましょう。

平泳ぎのキックは、足の引き方が重要になってきます。ただ膝を曲げるのではなく、かかとをお尻の方に引きつけるように意識しましょう。この時につま先を外側に向けることで、足の裏が後ろに向きます。蹴る時は、かかとで楕円を描くように脚を動かせるようになることが理想です。

ワンポイントアドバイス

 

かかとを引きつけるという意識が分かりにくい方は、両手を体側にそろえ、手のひらにかかとを近付けるイメージで行ってみましょう。

 

かかとをタッチできる方はタッチして見てください!

Q2.片足だけあおり足になってしまうのはなぜ?

A.難しい問題ですが原因として考えられるのが、①利き足かそうでないかの違い、②姿勢(キック時の重心の位置)だと思います。当然利き足の方が力も強いですし、意識してキックもしやすいでしょう。片あおり足は無意識に行われているので、本人にも左右の足が違うことは分かっていないことが多いです。まずは上に書いた方法を繰り返し行ってみましょう。そこから体をまっすぐに保つことを意識しながら、けのび姿勢でのキック練習を取り入れてみてください。ここで気をつけることが、一つ一つの動作をゆっくり行うこと!①膝を曲げる→②足の裏で水を蹴る→③水を挟むように足をそろえる。この3つの動作を繰り返すことが大切です。

①膝・つま先を外側に向けしっかり曲げる

②足の裏で水を蹴る

③水を挟むように足をそろえる

Q3.足首は曲がっているのに前に進まないのはなぜ?

A.力が入りすぎています。平泳ぎは主にキックで進む泳法です。足に力が入りすぎていると体が沈む原因にもなります。足を引きつける動作で力はいりません。力を入れるところは蹴り出す動作の時です。『ゆっくり引きつけて、素早く蹴り出す!』キックの動きに強弱をつけてみましょう。それから、蹴り終わりに足首が曲がったままになっていませんか?両足で水を挟むようにキックをしたら、膝・足首を伸ばし、ストリームライン(けのび姿勢)を作りましょう。

 

いかがでしたか?平泳ぎのキック練習の参考になりましたでしょうか?まだ水泳を始めて間もないという方も興味を持っていただけたなら、今年のオリンピックの見方も変わるのでは・・・?

さて、次回は『平泳ぎのコンビネーション』についてのお話です。手・足・呼吸のタイミングに注目していきたいと思います。お楽しみに!
泳法部門担当  中村 さゆり

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