おともだちになろう!ジュニア幼児・学童担当 荒谷裕子

今回は、小学2年生の男児と小学一年生の女児を持つ現役ママさんコーチが担当するクラスでの出来事をご紹介します。このクラスでは一年生から三年生までの子ども達がクロールや背泳ぎを練習しています。

 

目次

友達へ気配りするI君と頑張り屋のM君

 小学1年生(当時)のI君は週に2回木曜、金曜日に練習しています。入会されたのは令和元年の5月。

現在は息継ぎクロールの練習中。ちょっとキックに苦戦しているところです。

最初に担当した佐藤コーチによるとI君は、初めての教室の時から、水を怖がることもなく、ボビングジャンプなど何でもでき、分からないところは必ず質問。明るく、元気なお子さんで、周りのお友達のことにも気を配ることもできる。そんな印象を持ったということでした。

次に、年長さん(当時)のM君は平成30年8月にジュニア幼児クラスに入会。少し早いのですが、4月から一年生ということで12月に木曜日の学童クラスに変更されたばかり。NAPで水泳選手だったお母さん譲りの水泳センスで、学童クラスでも泳力的には問題の無いお子さんです。それに頑張り屋さんで練習に一生懸命に取り組んでいます。

 

「知ってる友達がいない・・」M君は不安で心がいっぱい

ところが、M君は幼児クラスの時とは違い、お母さんと別れてプールに入る時に涙が出るようになりました。なんとかなだめて泳ぎ始めると、小学生に負けないくらい頑張って練習します。環境の変化が少し苦手なところがあるのか、なかなか慣れる気配がみられません。

『無理しないで幼児クラスに戻る?』と聞いてみましたが『うん』とは言わず、泳ぎ始めたら誰よりも頑張って練習してくれます。

お母さんに相談すると『知っている人がいないから。』とのこと。お友達がいない事が涙の原因とわかりました。

小学生のクラスなので、自分よりも大きいお友達ばかりで、M君が毎回緊張するのも、なかなか慣れないのも無理はありません。

 

「お友達になろう!」I君のひとこと

お母さんからのお話を聞いたあとで一年生の男の子が

『あの子はどうして泣いているの?』

と聞いてきたので

『知っている子や、お友達がいないし、みんな小学生のお兄ちゃん、お姉ちゃんで自分より大きいから緊張するんよー。』と話したら

『そっかー。じゃあお友達になろう!』と言ってくれました。

その男の子がI君です。

M君は、びっくりしたのか、どうしていいのかわからなかったようではっきりとした返事はありませんでしたが、そんな風に言ってくれるお友達がいることに私は心が温かくなりました。

年明け初めての教室で、I君は『今年もがんばろうね。』とM君に声をかけていました。

金曜日クラスの担当の吉岡コーチによると、同じようにI君はお友達の様子に気を配ってくれるようです。

こちらのクラスでも、少し元気のないお友達がいると

『どうしてあの子は元気がないの?』とコーチに必ず聞いてくるようで、わかる範囲で理由を伝えると、

『そう。なぐさめてこよう。』と言って元気のないお友達に声をかけてくれるそうです。

友達作りの心の余裕は「できる」の自信にも

私もそうですが、親は自分の子どもには誰とでも仲良くなって、お友達をたくさん持ってほしいと思います。

「みんなと遊んでおいで。」とか「仲良くしなさいよ。」といつも自分の子どもにも言っています。でも、それは大人の勝手な思い込みのような気が本当はしています。一人一人、気持ちの在り方がその時その時で違うからです。お母さんと離れて不安だとか、新しいことに挑戦するには自信がないとか、自分の事に一生懸命ならとてもお友達のことにまで、大人だって気がまわらないですよね。

『誰とでも仲良くなれるように』と、NAPでは、子ども同士がお友達になれるお手伝いを心がけていますが、多くの子ども達を真近で見ていると、自然にお友達に声をかけられる子には心に余裕を感じます。練習で何かするにも『できる』という自信が感じられます。

水の中では体幹がしっかりしていないと不安定なため、低学年のお子様は泳力に自信がないとしっかり水を楽しむことはできません。それでも、泳力がつき、水を楽しめるようになるとI君のように、周りのお友達のことにも気を配る余裕が心にできてくるのではないでしょうか。

コーチは友達作りのお手伝い

NAPでは、同じ時間を過ごす子ども達が仲良くなりやすいようにと、コーチも工夫しています。最初はただの顔なじみでも、同じ練習を重ねるうちに名前を覚え、学校名がわかると子ども同士おしゃべりが始まります。

『二人組になって~。』と声かけると、一人になってしまうお友達にも自然に『こっちおいで~。』

『できた』ことをしっかりとほめる。そして子どもたちが自分に『自信』を持てたら、周りの人にも気を配る余裕が心にできる、と思っています。これからもI君のように、お友達に対して優しい心が持てるように、スイミングを通してお手伝いが出来ればと思っています。

 

スタッフに聞きました 荒谷コーチってどんな人?

荒谷 裕子(あらや ひろこ)

ジュニア幼児・学童クラス担当

小学二年生の男の子と一年生の女の子のお母さんコーチ。

茶髪を頭の上でまとめ大きな声!初めて見られた方は(?)と思われるかもしれませんが実は真面目。独身の頃にもNAPでコーチをしていましたが退職。お母さんになってから再びコーチに返り咲き。自転車に子どもとお弁当を乗せて頑張っています。

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