プールのものがたり 3才~ スイミ~くらぶ

自然のままに 子ども達が作り出すものがたり

絵本の読み聞かせで、子ども達のイメージが膨らみ、プールでものがたり遊びを楽しみます。自分のイメージに従って動けた子ども達は主体的に動いているということです。主体的(自主性)発揮は、幼児後期に出てくる成長段階です。

ですから、スイミ~くらぶでは、『子ども達を指示待ちにさせない』というコンセプトがあり、幼児期に芽が伸びる自主性を発揮させようというのが、ものがたり遊びをする所以なのです。

ものがたり遊びに使った絵本

『にじいろのさかなしましまをたすける』

≪絵本のあらすじ≫

キラキラうろこをみんなに分けてあげて、仲間と仲良く暮らしていたにじうお。しましまのさかなが仲間に入れてと言ってきたけれど、他の魚が『キラキラうろこがないので仲間に入れない!』と言います。にじいろのさかなは戸惑います。にじうおには、ひとりぼっちの経験があったからです。その時につい、仲間の考えに同調しますが、サメが来た時に勇気を持ってしましまくんを助けるというお話です。

 

目次

S君のものがたり(年長:スイミ~4年目)

今日は、キラキラうろこを持ったお魚になってものがたりは進みます。キラキラしたカードをゴーグルのゴムにはさんで、『お友達の証』を意識しながらおにごっこをしていました。

すると、キラキラうろこを持っていないお魚が現れます。『僕も仲間に入れて~』と声をかけてくる魚に、絵本の内容通りに、スイミ~の子ども達は『え~~、入れてあげな~い』『キラキラ持ってないでしょ~』とつきはなしました。

 

でも、S君は『いいよ~』と最初からずっと言っていました。

それを見ていた私が『Sくんのキラキラあげなよ。そしたらあの子仲間になるから』と言うと、自分のキラキラうろこを取り、一度はあげようとしたのですが、それをすると自分が仲間はずれにされてしまうのは分かっています。キラキラうろこを見つめながらしばらく考えて、突然私のうろこを取ろうとしました。私は危うく取られてしまうところでしたが、S君の発想の転換には驚きました。

結局、自分のも渡すことができず、仲間外れにされたお魚をずっと気にしながら今日のストーリーが進んでいきました。最後はみんな仲間になって終わる結末なのですが、そうま君の優しい心に触れてとても感動しました。

 

スイミ~くらぶでのS君の歩み

☆ヘルパー卒業まで三年

スイミ~は、子ども達の『やってみよう』『やりたい』を尊重する教室です。色んなしかけや、声かけをし続けることでやる気をひきだします。なので、『いや』『やりたくない』の時は無理強いせず、タイミングを待ちます。S君もそのおかげ(?!)で泳げるようになりましたが、正直時間はかかりました。

 

☆スイミ~の楽しみ方

プールに入る前に聞いた絵本の内容をそのままプールでも表現しがちな子ども達ですが、S君のように、違うと思った自分の気持ちを表現できるお子さんもいるんだなと感心したのと同時に、絵本で感じた自分の気持ちを素直に表現できる行動力や発想力が育っているのかなと思いました。

お顔が水につけられない間でも、S君はものがたり遊びを存分に楽しんでいました。バタ足で移動さえできればそれでバッチリなのです。自分でできないところは、コーチが手を貸して身体と心に無理をさせないように教室を過ごしてきました。だから、のびのびと成長してくれたのかなと感じます。

 

スイミ~くらぶ責任者  なかや りえ

 

Sくんのお母さんより

スイミ~に通い始めて3年。プールに入ることや友達と遊ぶことは好きだけど、顔に水がかかるのは絶対に嫌!な息子でした。しかし最近急にスイッチが入り、顔をつけて泳げるように。これも無理強いせず、導いてくださったお蔭だと思っています。

中谷コーチには息子の知らない一面を教えてもらったり、一緒に成長を喜び、楽しんでくれているのが伝わり、『スイミ~に入れて良かったなぁ』としみじみ思います。これからも息子の『スイッチ探し』を手伝って下さい。

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