たかが水泳? されど水泳! 還暦コーチのひとりごと

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60歳からのコーチ業の一年を振り返って

会員からNAPのコーチとなり子ども達と接するようになって一年になります。今回はこの一年間で感じた事をお伝えしたいと思います。

最初に私自身の事を少しお話しましょう。100m個人メドレーを泳げるようになりたいとNAPの会員になりました。

泳法教室に入り個人メドレーが泳げるようになって『マスターズ』という成人の水泳大会に出場するようになりました。仲間たちと一緒に練習し、他の人の泳ぎを見ているうちに『泳ぐ』という事の意味に興味を持つようになり、これからの人生を水泳に関わっていきたいと思い、NAPのコーチになりました。

コーチになると成人だけでなく子ども達のクラスにも関わるようになりました。素人コーチですから、何もかもが新しい事ばかり。アッと言う間の一年でした。

 

子どもの発達に応じて、辛抱強く一人ずつ丁寧に

一年でたくさんの事を学びました。そして今も学んでいます。

教室を通じて一番重要な事は、子どもの発達に応じて接していかないと、なかなか上手くいかないという事でしょうか。また、たとえ同じ年齢でも子どもそれぞれによって発達の仕方は違いますから、ますます難しくなります。時間はかかっても、辛抱強く一人ずつ丁寧に接するしかないと思っています。

 

4泳法を泳げる事は自慢できる

水泳というスポーツは『出来る、出来ない』がはっきりしているスポーツです。ましてや4泳法を習得している人はそんなにいらっしゃらないと思います。

NAPでは学校で教えてくれない泳法も習得出来ます。頑張って、諦めず、時間はかかっても4泳法が泳げる様になれば人並み以上の事が出来ていることになります。これは自慢できることではないでしょうか。

 

それは心理学的には「有能感の獲得」と呼ばれ、学童期に最も求められる自分を認める能力、友達と楽しめる能力につながると思っています。

 

泳ぐ事で心身のバランスの良い成長が

泳ぐ事は身体の色々なところをバランスよく成長させてくれます。

例えば、人は水中では呼吸ができませんから、息継ぎというテクニックを使って呼吸を意識して行うようになります。意識しておこなう呼吸は、肺活量を増やし、心肺機能を高めるそうです。

また、体温調節機能も高める事ができます。そうすると風邪をひきにくい体になります。

クロールや背泳ぎは、全身がバランス良く成長していかないと、うまく泳げません。泳法の練習が体を伸ばし、左右のバランスがかたよらない成長に繋がります。

平泳ぎは内転筋(内ももの筋肉)を鍛えることができます。最近は洋式トイレが増えて、子どもたちの内転筋が弱くなる傾向にあるようで、O脚の子どもが増えているそうです。

4泳法を泳ぐことは、いろいろな筋肉を使い、鍛え、水泳以外のスポーツにも、また、健康維持にも役立つといえるのではないでしょうか。そして泳法技術習得は体の操りの器用さにつながり、それが心の操りの器用さにつながって、「キレにくい」心を作ると思っています。

 

ストレス発散は心身の病を招かない

大人だけでなく、子どもは子どもなりのストレスを抱えています。

ストレスは心身の病の最大の原因です。それどころか、マスコミを騒がす「いじめ」や「事件」にさえつながります。「事件は起こさせてからでは遅すぎる」のです。

温水プールは、陸上では危険な事も思いっきりできる特別な環境です。水の中で手足を思いっきり伸ばし動かす事は、ストレスの発散にもなります。泳ぐこと、お友達と楽しむことでストレスをしっかり発散していただきたいと思っています。それが心身の健康につながると信じながら、指導プログラムを組み立てます。

 

人生を通してできる安全快適スポーツ

会員としてプールを利用して実感したことですが、誰でも温水プールを利用できるようになった今、何よりも他のスポーツとの違いは一生続けられるスポーツだということです。100歳を超えた人たちも、マスターズの大会で頑張って泳いでいます。

大会に出場しなくても、プールで泳いだり、歩いたりすることで健康を維持していくこともできます。プールでの快感、同好の仲間との語らいの楽しさ、プールから上がった直後の爽快感は、継続の最大の源です。

こんな素敵なスポーツは他にはないと実感しています。私は60歳を超えた今になってコーチになれる道さえ広がりました。皆さんも水泳に出会えたことを人生における幸運の出会いと受け止めて、頑張って続けていきましょう。ぜひ続けてください。途中でやめてしまうのはもったいないですよ。

学童・泳法スタッフ 吉岡 淳

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