この失敗を糧に!競泳・泳法主任 河村 浩道

今年で水泳を始めて約32年経ちました。これだけ長いこと水泳を続けていると、楽しいこと・悔しいこと・キツイと思うことや失敗など様々な経験をしてきました。

その中でも今回は、「失敗」について書いていきたいと思います。水泳歴32年ともなると様々な失敗をたくさん経験するもので・・・

 

「召集に遅れた!」

水泳は、レース前に『召集』を受けなければレースで泳ぐことができません。『召集』とは、泳ぐ組ごとで受ける点呼のことです。大会では、各種目ごと、申込時の申請タイムで泳ぐ組が決まっており、そのレースの20分位前には、各組ごとに召集所に集まり、大会役員の点呼を受けなければなりません。たいていの選手達は、自分のレースの時以外は、体を休める為、プールサイドの控室で自由に過ごします。しかし、誰もレースの進行具合など教えてくれる人はいません。自分で、時間と進行には気をつけておかなければならないのです。もし召集に間に合わなければ、選手はそのレースで泳ぐことはできないのです。

 

ところが、私は中学一年生の時この『召集』に遅れてしまいレースで泳ぐことができませんでした。

種目は50mバタフライ。時間には気をつけていたつもりでしたが、競技進行まで気にしていなかったため、競技時間が予定より30分以上も早くなっていたことに気づかなかったのです。

 

ふと気づくと、同じ組の選手達がスタート台に立っているのが目に入りました。

「あっ!」と思いましたが、もうどうにもなりません。誰も泳いでいないコースを茫然と見ていたのを思い出します。「召集に間に合わないと、レースにでられない!」先生から何度も注意されていたことでした。

 

レースに出たらベストをだす!そのために毎日五千mも泳いで練習してきました。そんな気持ちでこの日を迎えたのに、召集に遅れてしまった!

レースで泳げない!くやしい!何故時間に気がつかなかった?何をしていたんだろう?情けない・・そんな気持ちで一杯になりました。

 

思ってもいなかった失敗にその日の他のレースでも、成果を挙げる事はできませんでした。もちろん、それ以降、召集に遅れるなんてことはありませんでしたが。

 

この失敗から…

日頃の練習は、大会で力を発揮し、ベストを更新するためにやっていることです。そのレースで泳げなかったことは後悔してもしきれません。

 

現在、選手達を指導するにあたり、この失敗経験から感じた事、気をつける事を伝えています。

①常に時間・進行に気を付けること

②日頃から、時間等には余裕を持って行動するようにすること

 

時間を守るということは、水泳だけに限ることではないと思います。時間にルーズということになれば、選手とコーチ、あるいは、いろいろな人とでもその信頼関係にかかわってくることではないでしょうか。

選手達には、召集に遅れるというような私と同じ失敗をして欲しくありませんし、また、コーチや、仲間同士との信頼関係をしっかりと築いて欲しいと思います。そして全国へ、世界へと、人と人とのつながりを広げていって欲しいと思っています。

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