置かれた場所で咲きなさい  渡辺 和子 著

今回私がお勧めしたいのは「置かれた場所で咲きなさい」という※渡辺和子さんの1冊です。

この本は、病院の待合室の本棚に並んでいて、タイトルがとても気になり手に取りました。

内容は、キリスト教の教えなどを用いて、その時の様々な問題との向き合い方や人生観について、沢山の名言と一緒に、いろいろな経験談が書かれています。

渡辺和子さんは修道女会の方なので、神やキリストの教えなどがベースになっているのですが、キリスト教徒でない方でも読みやすく、自分の考え方を見なおし、心が軽く温かい気持ちになるような内容です。

タイトルの言葉「置かれた場所で咲きなさい」というのは、置かれたところこそが、今のあなたの居場所であり、その場所で自分らしく生きて、自分らしい花を咲かせる努力をすれば、見てくれている人がいる、ということです。

結婚をしても、就職をしても、子育てをしていても「こんなはずじゃなかった」と思うことが次から次に出てきます。そんな時にもその状況の中で「咲く」努力をすること、それでも、どうしても咲けない時には根を下へ下へと降ろしてしっかり根を張り、次に大きく美しい花を咲かせられるように準備をしておくのです。

境遇を選ぶことはできないけれど、生き方は自分で選べます。その境遇や悩みに疲れる前に、別の視点から見てみたり、心の持ちようを変えてみたりします。そうすることで悩みは消えなくても、勇気が湧いてくるものです。

わかっているつもりだけれど、改めてそうだったなと気付かせてくれることがたくさん書いてあります。

中でも私がドキッとした言葉は「子どもは親や教師の『言う通り』にはならないが『する通り』になる」というものです。子育てをしていると、まったくその通りだなと思わされることがたくさんあります。どれだけたくさん叱ろうが、同じことを注意しようが、なかなかなおりはしないけれど、振る舞いや行動は、教えたわけではないのに、まるで自分を見ているかのようだったりするのです。子どもに何かを伝えるとき、言葉ではなく、親や教師が誠実に努力している姿を見せるだけで良いのだということ。

これは私が見ているジュニア幼児のクラスにも当てはまります。どのように泳ぐのか、何をするのかを口で説明するよりも「やって見せる」ほうが子どもたちには伝わりやすいのです。

著者の渡辺さんご自身の経験や悩みなど、その当時に救われた言葉や逆に誰かを救った言葉などが書かれているので、説得力もあり、とても優しい文章なので読んでいるだけで癒されて、元気が出てきます。

1ページ1ページに、温かい言葉がちりばめられているので、今の自分の心を温めてくれる言葉にきっと出合えると思います。

ページ数も少なく、難しい表現もあまりないので、普段本を読まないという方にもおすすめです。ぜひ皆さんも読んでみてください。

スタッフ  吉本 萌子

 

※著者の渡辺和子さんは、教育総監の渡辺錠太郎の次女として生まれる。51年、聖心女子大学を経て、54年上智大学大学院修了。56年、ノートルダム修道女会に入りアメリカに派遣され、ボストン・カレッジ大学院に学ぶ。ノートルダム清心女子大学教授を経て、同大学学長を務めたのちに、理事長となる。心迷う全ての人へ向けた、国民的ベストセラー。

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