各大会出場標準タイムが最初の目標
競泳はタイムの勝負です。どんなに綺麗な泳ぎで泳いでも0.01秒速ければ勝ちは勝ち、遅ければ負けは負けとはっきりと分かれます。大会当日のコンディションにある程度左右されることもありますが、野球やサッカーみたいに大番狂わせということはほとんどなく、実力者が勝つ!といったスポーツです。
学年が小さく泳力レベルが低い段階ではそこまで重要視はされませんが、レベルが上がれば上がるほどタイムはとても重要になってきます。
中国大会・全国大会は、設定された標準タイムを突破しなければ出場することはできません。中学生以上になると3位以内に入らなければ次の中国大会・全国大会などに進むこともできません。いずれも標準タイムに0.01秒でも足りなければ出場できませんし、順位も3位と4位とでは雲泥の差があります。
100%以上の練習こそ大会でのベストの秘訣
選手たちは、大会でベストタイム更新・標準タイム突破など目標達成を目指して日頃練習しています。
練習が楽なことはほとんどなく、きついことの繰り返しです。自分自身も経験があるのでつらい気持ちは分からないわけではありません。
しかし、大会におけるレース中の疲労は練習の比ではありません。
レース途中に、腕が動かない・足が動かないなどは当たり前。心拍数も軽く200拍を超えてきます。(通常無理やりにでも身体を動かさなければ出ない。)
そのためには、練習の段階からレースを想定して、苦しい中でもレースのどこの場面を想定して練習しているかが大切です。
ベストタイムを出すことは、今までの自分の100%の力を超えていかなければいけません。練習で80%の力ぐらいしか発揮できない選手はベスト更新が難しくなります。
不休の練習で泳法技術が向上
1日2日で、すぐに練習の成果が出ることはありえません。体力向上・泳法技術の習得には短くても2~3か月の期間が必要になります。毎日コツコツと積み重ねていくことがとても大切です。
特に泳法技術においては、泳ぎの癖をレース途中でも修正できるレベルまで持っていくにはとても時間が掛かります。 現に休むことなく練習に参加している選手ほど泳法技術が向上してタイムの伸びが大きくなるものです。
練習を休むのは2日が限界
水中は、陸上より抵抗が約14倍。浮力もあり、陸上のように支えるものが何もなく、無重力の状態。陸上とは全く違う世界です。
そんな特殊な世界であるため、休むことにより水感(水の重さなどを感じる感覚のこと)が鈍くなって、思ったような泳ぎができなくなることも。持久力も落ち、今まで練習してきたことの成果を失ってしまうこともあります。人にもよりますが私の経験上、休むのは2日が限界!
練習を休んで家で陸上トレーニングをしても、それほど大きな効果は期待できるものではありません。陸上スポーツならば、ほぼ、どこでも練習可能ですが、競泳はプールがなければ何もできません。万一何かの事情で、NAPのプールが使用できなくなった時は、プールを探してでも練習をしなければいけません。
「チョー気持ちいい!」
競泳に限らずスポーツで上を目指すことは毎日苦しい事の繰り返しばかりです。テレビ等に華々しく出演している選手たちもその笑顔の裏では、一般人からは想像もできないほどの苦しい練習を毎日繰り返してきています。競泳であれば、たった0.01秒を削るのに1日約2~3時間費やします。その間に、何度も涙を流し、歯を食いしばって苦しい練習に耐えているのです。
その結果「チョー気持ちいい!」が味わえるのです。
競泳・泳法部門主任 河村 浩道
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