伝える事のむずかしさ ~ NAP新人コーチ奮戦記 ~   

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私はNAP競泳コース育ち

私は、父が高校時代NAPの先代社長の教え子で競泳をしていた関係で、小学校に入学してから、気がついたらNAPに入会していました。

その時の記憶はあまりないのですが、親や当時の私を知っている人に話を聞くと、「言うことを聞かないでプールサイドを走り回っていた」そうで、はっきり言って「問題児」だったという事です。 泳ぐことが嫌い、ということではなく、コーチから指示されることに対して良く理解できていなかったので、自分勝手な行動に走っていたのではないかと思います。

 

オリンピックへの夢・・・国体では全国優勝も

「泳ぎたくない」と思っても時間が来れば、プールに連れて来られ練習をするという毎日でした。

泳げるようになると、自分の意思に反し、競泳コースに移され、泳ぐというより泳がされる日々の連続といっても過言ではありませんでした。

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でもそんな環境の中、小学校1年生の時に、山口県学童学年別水泳競技大会に出場して、なんと50m自由形で優勝したのです。その時に自分自身の心の中で「よし、僕は水泳選手になってオリンピックに出る!」という夢を幼心に描いていたのを今でも鮮明に覚えています。

しかし夢を実現することは難しく、何度水泳を辞めようかと思ったことでしょう。毎日、コーチの指示の元、レールの上を泳がされているような毎日の連続でしたが、中学2年生の時、初めて全国ジュニアオリンピックに出場することができ、幼心に描いた夢に少し近づいた気がしました。それからは中学、高校と全国大会に連続出場できるようになりました。

そして高校3年生の時には、インターハイ(全国高等学校水泳選手権)や、山口県代表で出場した長崎国体の400m個人メドレーで優勝したのです。それはもう自分自身有頂天の極みでした。

 

大学水泳部での挫折

それからさらに自分の夢を実現すべく、筑波大学の水泳部の一員となりました。その中で必死に練習に取り組んでいたのですが、大きな挫折を感じる事となります。

それは、今まではコーチの元で指示された練習メニューで結果が出ていましたが、大学生ともなると自分自身で考える事がとても重要になっていきます。いわゆる自主性、自立性が必要とされるのです。それが自分自身上手く理解できなくなりスランプに陥り、思うような結果がでませんでした。苦い思いの残る大学生活でした。

 

子どもに伝えることのむずかしさ

今年の4月より、縁あってNAPのスタッフとなり、学童クラスや競泳クラスの指導に携わっています。

その中で自分自身伝える事のむずかしさを日々感じています。

今、自分自身が子ども達を指導する側になり思うことは、自分の時に指導されたプログラムは、それほど 楽しさを感じるものではなかったということです。

特に自分の時代と大きく違う点は、プレーイングルームでの予告(今日やる事の説明)です。

「今日はどんな練習をする」から始まり、「その練習は何のためにするのか」を子ども達にわかり易く伝えて、理解してもらわなければなりません。その伝え方が不十分だと練習がとまってしまい、また最初から説明しないといけなくなります。

十分に子ども達が理解して納得してくれると、スムーズな教室運営になり、自然と私も子ども達も笑顏になります。

今まで働いてきたスイミングでは、このようなスタイルはなくNAP独自のスタイルに、最初は戸惑いました。

今ではそれにも慣れ、何より、子ども達の笑顔に癒される毎日です。

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鏡合わせの関係性

NAPと他のスイミングとで最も大きく違う点は、できた事をしっかり見て評価する(ほめる)ということです。

私自身、選手時代にほめられたという記憶がありません。出来て当たり前で過ごしてきましたから、他の担当者の練習をみてそのことに対してすごく感動しました。

何故ならこちらが真剣に子ども達に接していれば、子ども達も真剣に返してくれるということがわかったからです。鏡合わせの関係性というか、教えるという事を今までの経験上、つい、上から目線で見ていたことを痛感する事柄でした。

 

自主性・自立性のお手伝い

NAPでは、このように毎日子ども達と真剣に向き合い、できたことをしっかり評価して、次の目標に向かって担当者と一緒に練習をしていきます。

決して押しつけではなく、子ども達にしっかり内容を伝え、納得して練習を進めていく。そして、できた事を評価して、子ども達にできた事の素晴らしさを実感してもらう。

これこそ私が挫折を感じた自主性、自立性のお手伝いではないかと思います。私の時代にもこのような指導があれば、ひょっとしてオリンピック出場も夢ではなかったかもしれませんね(笑)。

それは冗談として、毎日子どもたちと接して、伝える事のむずかしさを感じながらも充実した日々を送っています。

そして今、わたしの大きな夢は、東京オリンピックには間に会いませんが、「次のオリンピックにはNAP出身の子どもを出場させる!」ことです

ジュニア学童スタッフ 森永 友貴

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