★「心の健康」を大事にする理由

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子ども達の体力が低下傾向へ…

リオデジャネイロオリンピック・パラリンピック等で、日本人のスポーツ熱に火がつきましたが、子ども達にその話を振ると、興味がある子とない子の差が顕著だった様な気がしました。

地元の石川佳純選手や大野翔平選手等が活躍している割に、反応がやや鈍かったような気もしました。そもそも子ども達にスポーツに対する関心が薄れているのでしょうか?

文部科学省は、「今後10年以内に子どもの体力が昭和60年頃の水準を上回ることができるように、今後5年間の体力向上をはかる」ことを目標にしています。

そもそも昭和60年頃の体力水準が高かったという前提ですが、その頃は昭和中期の体力水準を目指していたと記憶しているのですが、そう考えると体力の低下傾向に歯止めがかかっていないということでしょうか?

ただしこれは平均の話で、スポーツができる人の能力は上がり続けています。オリンピック等でもどんどん新記録が出ていることからも明らかでしょう。つまり、スポーツができる人とできない人との二極化が進んでいるということでしょう。

 

「心」と「体」は連動

子どもの運動能力の差が開き始めているということは、そもそも運動する機会が少ないことが挙げられます。そして、運動のきっかけや動機づけをする大人の役割も大きいような気がします。その中には、大人が良かれと思ってやっている、子どもに対する「勝利至上主義の押し付け」もあるのかもしれません。大人になってプロや実業団で活躍するためには厳しい競争を勝ち抜かなければなりませんが、幼児や小学生の段階ではスポーツを楽しむ事の方が大事なはずです。

「スポーツは『良い子』を育てるか」などの著書をもつ永井洋一氏を読んでいると、大人から勝利だけを求められ続けて心の成長がいびつな子ども達の実例が描かれていて、ぞっとします。

西洋思想では長らく「心」と「体」は別であると考えられてきました。日本においても明治以降この西洋思想の影響を受けてきたため、「心」と「体」という心身二元論が支配的でした。最近、「心」と「体」が一緒であるという東洋的な考え方が見直されてきましたが、子どもの教育の現場までその考えが浸透しているでしょうか?「心」に不安を抱えていると「体」がうまく動かなかったり体調が悪くなったりと、「心」と「体」は必ず連動しているのです。子どもを指導する際にこのことは強調すべきことです。

 

「心の健康」を大事にする理由

ナップでは「心の健康」を大事にしています。これは、子どもだけでなく、大人も含めた全世代に対して行っていることです。

具体的には運動することを楽しむ心を育んでいるのです。どのようにすれば楽しいかは、年齢により違ってきます。幼児であれば純粋に体を動かすことが楽しいかもしれませんが、学年が上がるにつれ勝敗にこだわったり、記録や得点にこだわったり、一人でやるよりもチームプレイが楽しくなったり等発達段階によって楽しみ方が変わってきます。

コーチの役割は、子ども達がよりスポーツを楽しめるようにすることです。勝敗が必ずしも優先されるのでなく、スポーツを楽しむ目的を果たすために勝敗が必要であれば、勝つ子や負ける子を決めることになります。

子ども達が、スポーツを楽しめるようになるきっかけとして憧れの存在が必要です。

その素晴らしい例の一つがオリンピックやパラリンピックなどの国際大会です。

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それは、決して画一的に「オリンピックを応援すべき」という意味ではなく、子ども達が「自分達もこんな風になれたらな」という憧れを抱き、そこから新たなスポーツの楽しみを見出すことを期待して、そういった大きなスポーツの競技に興味を持ってもらいたいと思うのです。

元気ッズクラブ教室担当者 ジュニア学童教室担当 岸 健一

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