目標思考 本当に達成したいときのこころ

今年5月に「山口県郡市対抗水泳選手権大会」が行われました。この大会は、6月末に行われる「中国五県水泳競技大会」の山口県予選会で、各種目3位以内に入賞した選手が県代表選手に内定するとても重要な大会です。

今年度、NAPからは

《ジュニア(中1以下)の部》

☆末兼一輝(平川小6年)

200m個人メドレー

 

《無差別(中2以上)の部》

☆溝部由依(防府高3年)

400m自由形

☆新見友季子(山口高2年)

800m自由形

☆岩本沙紀(大内中2年)

200m平泳ぎ

 
以上、4名が県代表選手として出場します。   
その中から、今回初代表入りの、新見友季子選手を紹介します。
新見さんは、幼児の頃から競泳クラスに在籍し、小学生の頃には中国大会でも優勝や入賞経験があります。
ご両親の仕事の関係で3年間東京にいましたが、中2になる年に再びNAPに戻ってきました。東京では、なかなか記録がでなかったようですが、NAPに戻ってきてからは、どんどんタイムも上がってきています。
 

目次

大会はどうだった?

私のクラスでは、大会ごとに感想を書いて提出してもらっています。これは、大会での過ごし方やレースについて反省をし、次回大会へ向けての改善点や練習への取り組み方を自分なりに書いてもらいます。
次ページに新見さんの、郡市対抗の感想を掲載しましたのでご覧ください。
 文章からは、「県代表になる」という目標に向かって練習をしてきたことが分かります。実際に、4月末の合宿ではきつい練習に積極的に取り組んでいました。本人はあまり自分の気持ちを言い表すタイプではありませんが、絶対に県代表になるという気持ちが見てわかるほどでした。
 

来年はどうなりたい?

シーズンが終了した9~10月にかけて三者面談を行い、来年の目標大会・タイム・順位はもちろん、どうしたらその目標を達成できるかを話していきます。当初は、「400m自由形 4分45秒で高校の中国大会の決勝進出」という目標設定をしました。
しかし、練習をしていく中で本人から難しいかもしれないとの申し出があり、4分47秒に設定をし直しました。 私としては、頑張れば十分達成可能範囲だとは思いましたが、本人が納得していない目標は意味がないので了承しました。
 

何が基準?

毎日の練習はきついことばかりです。練習を頑張っていない選手は、誰1人いません。ただし、「それがどれだけ自分の力になったか?」と、突っ込まれて答えられる選手は少ないと思います。
練習内容や言うことも目標達成を前提で考えているので、「それで少しでも目標に近づいたか?」「目標達成できそうか?」いう問いかけをいつもしています。新見さんにも同じように何度も問いかけてきました。
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※新見さんとコーチの大会後のコメント・・・タイムやレース前後気をつけた点もかいてありました
 

モチベーションアップ!

最初は、なかなか目標達成への実感が湧きませんが、練習や大会のタイム・課題克服をしていくことで、少しずつ手ごたえを感じるようになります。そうすると、練習や大会に対する取り組み方が変わり、厳しい練習や、技術面での要求に対しても積極的に挑戦するようになってきます。
 

レースに変化!

 新見さんの場合、練習段階で調子が良くても、本番になると他の選手のペースに惑わされ、力んでしまい、思ったような泳ぎができず、ベストタイムにほど遠いタイムで泳ぐことが多々ありました。しかし、この郡市対抗をきっかけに、周りに惑わされることなく冷静にレースを展開できるようになってきました。
 

中国五県対抗終了

本番の「中国五県大会」は、県代表としてのプレッシャーもあり、思ったようなレースができず、悔しい思いが残る大会となりましたが、まだ大会は続きます。次の大きな大会は7月末に行われる「中国高校水泳選手権」です。この大会は、全国高校水泳選手権の予選会になります。
大会終了後、「中国高校」の目標は、4分46秒のベストタイムが目標と本人は言いました。しかし私自身は、中国高校400m自由形で決勝進出ラインの4分43秒にしようと、提案をしました。その力は十分にあると思ったからです。しかし、練習不足(テスト期間中のため)を気にしてか、「もし、タイムが出なくて決勝進出できなかったらどうしよう」と不安に思っている様子でした。
私は、「決勝進出する力は持っている。結果は蓋を開けてみないと分からない。決勝進出を目標にするかしないかでやることも全て変わってくる。例えダメでも挑戦することで必ず次につながり、力になる。」と話しました。そして、話し合いの結果、「中国大会決勝進出」の目標を共有することになりました。
 

最後に…

誰にでも「できなかったらどうしよう…」という気持ちと、「挑戦しないとできるようにならない!」という二つの気持ちがあり、その間でこころは揺れているものです。その時、背中を押してあげるのが親やコーチの役目であると考えます。
私は少しでも可能性があれば挑戦すべきだと思い、そのために「何が必要か?」「何をしていかなければいけないか?」と徹底的に話し合いをします。最終的には本人が決めることですが、できる限り本人が納得できるまで話をしていこうと思っています。
 
競泳・泳法主任 担当コーチ 河村 浩道

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