生きにくい時代の子ども達
すでに「良い学校に行って良い会社に就職すれば一生安泰」という構図は崩れています。会社の平均寿命は30年を切り、29年となりました。今後さらに短くなることも予想されます。定年まで同じ会社でというのも難しくなるのではないでしょうか。
学校のテストも、記述式に移行する流れがあるようです。単純な記憶力を問うテストでは実際の社会では通用しないことが明らかになってきたからでしょう。さらに、今ではグーグルなどで検索すればほとんどのことがわかる時代です。記憶力がすぐれていることの価値が相対的に低くなっています。
経済情勢
資本主義社会が今後も成り立つのか、そこに不安を持つような風潮も出ています。
2年前、(注1)トマ・ピケティ氏が「21世紀の資本」で、一部の資本家と労働者の、富の不均衡を明らかにしたとして話題になりました。資本主義の限界や矛盾は、(注2)カール・マルクスの「資本論」以来ずっと言われてきたことです。今では、資本主義社会が世界の中心にはなっていますが、人間は欲望がコントロールできない生き物のようで、何度も似たような破綻を繰り返してきました。
例えば、アフリカのジンバブエでは、1ドル=3.5京ジンバブエドルになっているようです。最近では、人民元で決済するという話すら聞かれます。
日本でも1億円稼いだのに、それが100万円とか1万円の価値にどんどん下がっていく、ということがありえない未来でもありません。
注1(1971・5・7~)
フランスの経済博士 経済的不平等の専門家
注2(1818・5・5~1883・3・14)
ドイツ出身のイギリスで活動した哲学者
※ 3.5京ジンバブエドル=35,000,000,000,000,000!! |
雇用情勢
また、今の子ども達が生きる未来は、「かつてない高齢化社会」です。
それを支えるために、外国人労働
者が仕事先での同僚となり、競合会社として外資系の企業が日本に進出することも大いに考えられます。
昔、3K(きつい、汚い、危険)と呼ばれた仕事や、単純作業は、機械や人件費が安くても良いと言う、外国人出稼ぎ労働者に奪われてしまうかもしれません。
スイミングのコーチとして
そのように考えると、子ども達にただ単に、泳ぎの技術を伝えるだけの意識で仕事をしていていたのでは、子どもの将来に役に立たない、ただのコーチの自己満足、ということになるのかもしれません。
スイミング教室は、(1964年の)東京オリンピックを機に、全国でオリンピックを頂点とした選手育成の場として、全国に広まったという経緯があります。
高度経済成長による生活の豊かさが進み、たまたま日本で「子どもの習い事№1」にスイミングが上がっただけに過ぎないとも言えます。
子ども達にスイミングを通じて伝えられる一番大事なこととはなんでしょう?
変化する時代に対応できる柔軟性?仲間と協力する心?ライバルと切磋琢磨しながら成長する心?絶望的な状況でも前向きになれる精神?
なんであれ、混迷を極めるであろう今後の社会を生きる一助になるような指導でないと、意味がないと考え、子ども達と接している毎日です。
元気ッズクラブ教室責任者
ジュニア学童教室担当 岸 健一
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