『甘える』ということ ~子ども初級チーフ  藏本 信江~

 甘えの心理的原型は母子関係における乳児期の心理が影響します。ただし、生まれたての乳児については、『甘える』とはいいません。生後数カ月で物心がつき、母親を求めるようになった時、『甘える』が始まるのです。母親が自分とは別の存在であることを知覚した後その母親を求めることをさしていう言葉だそうです。

 『甘える』ことは、母子分離の事実を心理的に否定しようとするもののようです。事実、母と子は生後、明らかに物理的にも心理的にも別の存在です。その事実を肯定できるために『甘えの受け入れ』という納得の積み重ねが必要になるのでしょう。その積み重ねが十分か不十分かで甘えの程度が変わってくるはずです。

 小さい頃の甘えは当たり前で、甘えが足りないといつまでも甘えると聞いたことがあります。基本的信頼関係(親子の信頼関係)を築くのに、甘えることは必要なのだと思います。「ママ」といつも言ってくること、抱っこ、一緒に寝ること、「本読んで」と言うことは、ママに我(が)を出せているということです。

 甘えの中に『我がまま』も含まれるのかもしれませんが、『我がまま』と言う言葉を見ていたら『自分のまま』という言葉が思い浮かびました。子どもが『自分のまま』を出せるなんて、素敵なお母さんじゃないですか。我がままの対処法は悩みの種ですけどね。

 さぁ子ども達、NAPでもどうぞ甘えて頂戴

参考文献  「甘え」の構造 土居健郎

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