2020年は東京五輪の年!出場を狙う選手達は代表権を獲得するために血のにじむ努力を続けてきましたが、世界中に新型コロナウイルスの感染が拡大し、東京五輪も一年延期となってしまいました。
オリンピックばかりか、2月末から水泳を含めすべての競技で全国大会も地方大会も中止・延期になってしまいました。やっと約半年ぶりに7月末より地方大会から再開することが決定し、野球や陸上競技など高校生のメモリアルカップがスタートしたというニュースも聞かれるようになりました。
新型コロナウイルスの影響による大会中止は、全国大会出場を目標にしていた選手だけでなく、自己ベストを目標としていたすべての選手も目標を失うことに・・・。
このような状況の中でも、選手たちはいつ大会が再開されてもいいように練習を継続していかなければいけません。しかし、目標が明確でない中でのきつい練習の継続、モチベーションの維持は並大抵なことではありません。
2月までは、毎月一回は必ず大会が開催され練習の成果を発揮する機会がありました。私達コーチも目標設定がしやすく、日々の練習の成果の確認もできていました。しかし、逆にそれが当たり前になってしまっていたので、半年以上も大会が実施されないことは、私にとっても初めてのことで、何を目標にNAPの選手達を導いたら良いのか分からなくなってしまいました。
また、中3・高3の選手にとって大会での成績は、進学にも影響してきます。高3で引退を考えていた選手は、不完全燃焼のままでの引退を余儀なくされることになります。
私が担当している高3の選手も、大会中止による、モチベーションの喪失から不安を感じ、どうしたら良いかわからないと相談を受けました。私は高校ラストの年だからこそ結果を出させてあげたいこと、また、やり切ったと感じられるレースが見たいという私の思いを本人に伝えました。その結果、8月には大会が再開される見通しから、話し合いのすえ8月開催の大会を目標にベスト記録にチャレンジすることになりました。
今年のように思ってもいなかった新型コロナウイルスの感染拡大だけに限らず、これから先、どんなアクシデントがあってもブレることのない目標を選手・コーチは強い想いを持って設定していくこと、そして保護者の方とも共有しておく必要性を改めて感じました。この経験はこれからの人生において目標を見失いそうな状況におかれてしまった時にも、常に前を向き、挑戦しようという力の基となってくれることを願っています。
競泳・泳法主任 河村 浩道
コメント