指示待ちの子にしない遊びと学びを
NAPでは、心理学者エリクソンの子どもの発達段階の研修があります。
幼児後期の発達段階は?
スタッフの研修レポートを紹介します。
やんちゃ おてんばの時期
4歳頃から就学まで幼児期後期と言います。身体も成長し、好奇心旺盛になりいわゆる『やんちゃ・おてんば』をしたくなります。
『あれもしたい、これもしたい。何でもやってみたい』
と思って行動を起こすのです。それは、身体的にも心理的にも挑戦することです。この時期の子は、主導権を握って挑んでいきます。
その結果、やんちゃ・おてんばになるわけです。つまり、やんちゃ・おてんばは当然のことです。
さて、『あれもしたい・これもしたい』=『目的』を持ってやろうとするときに『主導性』か「罪悪感」のどちらかを獲得していきます。
これが主導性だ!つまり自主的な行動
『あれもしたい・これもしたい』→『やろうとします』時には、目的の為に一生懸命努力することがあります。
その努力は、口ごたえ、泣きおとし、強引にやってしまう、子ども同士のケンカなど。これも『主導性』です。
自主的な行動の場合
自分が本当にやりたい事をするために、どのような手段を使えばいいのだろうか。勝手にやりたいことをやっていたのでは、集団では、上手くいかないことが多いはずです。自主的に行動すれば、どうすればよいのか自分で学んでいくことができます。ぶつかって葛藤して得ていきます。
もし、大きくなっても自主性があれば、集団の中で自分の個性(わがまま)を発揮することや、生きやすくするためには道徳的・規範的のある社会の中では難しいと気付きます。どうすれば良いか自らが学んでいきます。
これが罪悪感だ!つまり消極的な行動
反対に『罪悪感』とは失敗したときに叱られることを恐れて目的を抑え込む事です。罪悪感が強くなると道徳的になります。
消極的な行動の場合
また『あれはダメ、これもダメ』と我慢し続けることは『何ならよいのかわからない』と指示がくるまで動けない、指示待ち人間を作ります。
この時期に、強すぎる躾・管理・強制は子どもにとって『罪悪感』を育てます。
主導性と罪悪感どちらかという話ではありません。罪悪感よりも主導性の方が大きく強く出ているのが良いと言うことです。
参考程度ですが
・いろいろな事に果敢に挑戦する。
・子どもが調子に乗りすぎて失敗したときに両親やおとなが厳しく叱る。
・何が間違っているのかを子どもの目線でしっかり答える。
・また、前発達段階の
基本的信頼の時期(この世の中何とかやっていけそうだ)
自律性の時期(自分の気持ちをどこまで通そうか)
これらの発達がしっかりあることで主導性は育っていく。
・前段階の成長があっても、この時期の強い罪悪感は前段階の基本的信頼や自律性まで動揺させてしまう。
*前段階の発達段階を考慮した教室に「親子ふれあい教室」と「親離れ子離れ教室」があります。
「あれもしたい・これもしたい」を満足させられる遊び
空想を自由に働かせ、ヒーローになったり、忍者になったり、お姫様、お母さんになったりします。その想像力は幽霊を怖がったり、泥棒を怖がったりもします。
男女差もはっきりして、男の子は走る、跳ぶ、大声で叫ぶといったもの、女の子は着飾る、小さな子の世話をするなどをします。
子ども達に意欲の持てる心を
この時期に獲得するのは『目的』の感覚です。
『何がしたいのかわからない』ではなく
『この遊びがしたい』
『終わったらあの遊びもしたい』と意欲をもてる心です。
前段階の
『怒ってだめなら泣いてみようか』という段階から
『屁理屈を言ってでも通したい。何が何でもやりたい』という段階になったわけです。
だから物語遊びを
物語遊び教室は、幼児後期を満足させられる遊びです。なぜなら、『自主的に活動してやってみる』『いろんな発想を試してやってみる』『やりたいと思って動いてみる』ということができるからです。
子ども達のイメージしやすい絵本を題材にして、(絵本の読み聞かせをして)それを広いプール・長い時間・異年齢の子ども達が群れて遊べる環境で『あれもしたい・これもしたい』を満足させてあげられるからです。それが、物語り遊び教室です。
私にできること
子どもにはやんちゃ・おてんばをどんどん出来る環境を提供したいです。
何をして遊びたいか話しを聞いて、『いいね、あれもやろう。これもやろう。』と言いたいです。
子どもの『目的』が見つかったら実現できるように手助けしていきたいです。
コーチ 小土井 雅美
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