目標づくり、やる気、達成感!ジュニア学童主任 吉岡 淳

今回は、NAPに来ても泳ぐよりお友だちと一緒に遊びたくて仕方ない子ども達に、楽しみながら真剣に水泳を学んでもらうにはどうしたら……と悩めるコーチのお話しです。

目次

遊びたくて仕方ない子ども達

二年前に200m個人メドレーを3分20秒という素晴らしいタイムを出してクラスを引っ張っていた6年生の男子達が卒業して(中学生になってからは曜日と時間を変更して在籍中)、今は4年生の女の子達が最年長になりました。

上級とはいえ、練習が退屈でまだまだ遊びたがる年齢。今日は何をして遊ぶ?という雰囲気一杯で登場。カードには、やってほしいメニューがたくさん書いてありますが、それは横に置いておいて…そんな状態が半年続きましたが、何とか約一年掛けて1A級まで進級できました。

 

練習が楽しくなってきた・・?

しかし、今では泳ぐこと、練習することが『楽しい』とはいかないまでも、『苦』にならなくなってきたようで、

「やり方教えて。すぐ泳ぎたい。」と説明する時には必ず訊いてくるようになりました。

当然、後から進級してきた年下の子ども達も、先輩が頑張る姿に文句も言わず一生懸命に練習するようになってきています。

 

コーチも指導を受ける

NAPでは『優しいお母さんになるヒント』(雲母書房)の著者、樋口邦彦先生に『子育てヒントの会』の講師をお願いすると共に、スタッフの研修の為に滋賀県甲賀市から火曜日から土曜日まで、泊まり込みで来ていただいています。

幼児から成人、全てのスタッフに問題点を指摘し、見落としていた点を気付かせていただいています。

今までの泳がせるだけのスイミングから、目標を持って子ども達が楽しみ、達成感を感じながら泳力を習得し、有能感の獲得など年齢にそった成長ができる様にと指導を受けています。

 

指導現場でのアドバイスも

研修を続けるうち、実際の指導現場を点検していただくことになりました。

プールサイドでバインダーを片手に、じっとコーチの指導を見ている樋口先生の姿を、保護者の方も見かけておられる事と思います。

バインダーには担当コーチの良い点、悪い点がしっかり記され、10点満点で採点。その後、個人的に面談(コーチが納得できるまで意見交換)

最初は、子ども達も誰なのかと興味津々!まあ、今では、先生の先生として認識しているようです。

私にとって樋口先生の点検は、子ども達との関わりや、指導方法などについて改めて考える機会になりました。

 

コーチの役割は目標づくりのお手伝いと目標達成の喜びの共有

コーチの役割は、練習の目標を分りやすくし、子ども達にクリアしてもらい達成感を感じてもらうこと。

しかし、その目標は一人一人がコーチと共有していないといけません。何故なら、押し付けられた目標ではできた時の達成感が感じられにくいからです。小さな目標を積み重ね、大きな目標(ここでは1A級合格でしょうか)をクリアしてもらう。

頑張って進級していく子ども達の成長こそコーチのロマン!

 

低学年には練習課題を物語やゲームで組み立てる工夫

水泳は姿勢が重要です。キックで姿勢を維持しなければなりませんが、その練習は単調で辛くて面白いものではありません。大人でも辛いのに低学年の子ども達には苦痛でしかないでしょう。少しでも楽しく練習するには・・・遊びながら練習できるように工夫が必要だと分かってきました。例えば、浮島渡は体幹のバランス感覚を、すべり台は飛込の初歩、バタ足での押し合いっこはバタ足の強化が目標です。

 

評価をしっかり伝える

目標に対する評価とクラス全体の評価の曖昧さにも気づきました。

水泳は努力の積み重ねが大事。努力無しにできる様な練習ではないので言いづらかったのですが、「そこをもっとこうしよう。そうすれば速く泳げるようになるよ。」と一人一人に言うように心がけ、クラス全体には、最後に「みんなよく頑張りました。」と評価するようにしました。

そうすると、「今のどうだった?」「合格するためには、私は何が足りない?」「ターンはどうすれば速くなる?もう一度教えて。」と子ども達の方から質問してくる様に。

おかげで、1A級が6名、1B級4名と10人全員かなりハイレベル。上級強化に入っても上位のタイムで泳げる子もいます。

 

競い合い、励まし合い、学び合いのクラス作りを

89号の岸コーチの記事にも有りましたが、学童クラスの子ども達全員が四泳法を習得し、タイムとの戦いに挑んで欲しいと思います。つまり1A級の200m個人メドレーまでは進級してほしいということです。

その為には子ども達が、クラス全体で共に競い、励まし、学び合うことが必要だと思います。辛い練習を一緒に乗り越える仲間同士、お互いを高め合うようなクラスを作りたいのです。

各種目50mずつ、一気に200mを子ども達が挑戦する。例え合格タイムに届かなくても挑戦し続ける事が素晴らしいことではないでしょうか。これから先の子ども達の成長に大いに役立つと思えてなりません。

 

私(おじいちゃんコーチ)の反省

まだまだ、問題点ばかりですが、実現に向け、更に学びを多くしていきたいと思います。何しろ、前述のクラスの女の子たちは1A級を合格出来ていませんから。(…反省)

次回、彼女達が1A級に合格したらまた、みなさまにご報告したいと思います。どうぞお楽しみに

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