過去の指導法は押しつけ指導だった
早いもので、NAPに来て5年が経ちました。ここでの子ども達と水泳指導に関わって、自分自身の心に大きな変化が起こりました。
その変化とは「学ぶ」という事と「やさしさ」でした。
県内のスイミングクラブで、長年にわたり子ども達に水泳を指導していたのですが、今思えば「押しつけの指導」だったと思います。自分が教えることこそが、上手に泳げることの一番の早道だと言う考えの下で子ども達の気持ちなどあまり気にせず、教え込んでいたのです。
自信をなくし退職を決心したことも
ところがNAPにきて、その考えや方法が今の子ども達には合っていない事に気づかされました。
自分が今までやってきたことを全て否定されたような気持になり、退職を決心したこともありました。
しかしながらスタッフの皆さんの温かい気持ちと、何よりNAPの子ども達の笑顔に励まされ、また一から学んでいこうと決めたのです。
納得してもらいたい
学ぶということ。子ども達が練習の内容に対して納得し、楽しんでもらえるようにするためには、コーチの考えや言いたい事をしっかり伝える事が第一条件でした。
伝えることの難しさを感じながら、いかに「わかった」と言ってもらえるかを常に考えながら繰り返し、自分自身に問いかけていきました。
目線を子どもの高さに
伝えることは難しい。まして泳げない子を泳げるようにするには、それなりの知識や技術が必要なのだという思いが、ついつい子ども達を高いところから見ていたのです。
それから目線を同じところにおいてみると、見えていなかった景色が広がり、私の心に変化が生まれてきたのです。
「やさしさ」とは
その心の変化とは「やさしさ」でした。出来たことをしっかり受け止め、ほめる心 を、私は「やさしさ」と表現しました。
その「やさしさ」の心ができたことで特に低学年の初級クラスを担当した時、子ども達に練習の内容を伝えました。
「OK!今のは良かったよ」
「できるか~」と挑発すると、子ども達は口々に大きな声で「できるよ~」と答えてくれるのですが、実際には、なかなかうまくできません。
それでも、少しでもできたことを評価してあげようと「OK、今のは良かったよ。」と、ガッポーズを送ると、嬉しそうにこちらを見ています。
これが「楽しく学ぶ」ことではないかと私は考えるようになりました。
またバッジテストのときはゴールした直後に「よし、泳げたね、合格!」と大きな声で伝えると、満面の笑顔です。
このような光景は以前の私が指導したスイミングクラブでは全く見られませんでした。
できたことを即座に評価することの大切さ
できたことをしっかり見て即座に評価することが、とても重要であったことを痛感するのでした。
だから、私は少しオーバーアクションで、「できる」ってすごいんだ という気持ちで、子ども達に応えるようにしています。
「目標達成=生きる力」のお手伝い
楽しく学び、できたことをほめてもらい、泳げるようになる。泳げれば、また楽しくなる。そしてまたできたことに対してほめてもらえる。
この繰り返しが行われることで、自分自身の目標をどんどん達成していく。これこそがNAPの水泳を通じた、
「目標達成」=「生きる力」のお手伝いになるのではないかと私は考えています。
そして一人でも多くの子ども達がまたNAPに通いたい、水泳を続けたいと言う気持ちを持ち続けてもらえるようなクラス作りができないか。「私も学んでいる」と思うと、内面から指導のエネルギーが湧いてきています。
コメント