あきくん5才プール体験記 母より
顔に水がかかるのがいや
顔に水がかかることが大嫌いで、お風呂でのシャンプーはいつも大泣きでした。
少しでも水に慣れてくれたら…という思いと、体力作りのため年少の夏休みから入会しました。
体力がないため、入会当初は幼稚園からプールまでの間に寝てしまったり、恥ずかしいのか、手遊びや絵本の読み聞かせ時も私から離れずベッタリ…。プールでも、水の中でどう遊んでいいかわからなかったようで、プールサイドや台の上で遊ぶか、先生に抱っこしてもらっていました。
楽しんでいることを大切に
いつも水に対して控えめな息子を根気よく見守って下さっている先生から、
「あきくんが楽しんでくれることを大切にしたい。欲を出さずに見守っていきたい」と言葉を頂きました。
無理やり水慣れさせようとして逆に水嫌いにはなって欲しくなかったので、甘すぎるかな…と思っていましたが、先生も同じ考えで安心してお任せしました。
少しずつ自信がついて
ヘルパーを活用してひとりで浮き出したのは、入会して4カ月経った頃。水の中ってどんなだろ…浮くってどんな感じ?と少しずつ経験してプールでの活動も増えてきたのかなと思います。
その日の帰りに
「今日はひとりで泳げたね」と話すと、
「俺もうひとりで大丈夫やけぇ」と、頼もしい返事。
それからは、自信がついたのかどうかはよくわかりませんが、以前に比べてプールでの活動が活発になっていったので、楽しくなってきたようです。と同時に、今までとは別人のように悪ガキぶりが開花してしまいました…。
悪ガキの開花
ナップでは、プール前の時間、毎日のように逃走した息子を追いかける日々。
「他の生徒さんはちゃんと手遊びしたり、絵本読みを聞いているのに、なぜ?」
親の方がナップに行くのが憂鬱になっていた頃、
「やりたい放題、子どもらしく健全な成長を感じます」
という先生の言葉に励まされ「お母さんも後を追うと、面白がって余計に走るから追わないでみてください」
とアドバイスを頂きました。
水への苦手意識は変わりませんが、あきにとってナップは楽しく自分が出せる場所だという意識があるから、嫌がることなく続いているのかなと思います。
仲のよい友達もでき、誰かと一緒に悪さ?をする楽しさを覚えてしまったようです。欲をいえば、あきにもう少し「負けん気」があれば、泳いだりするお友達に刺激されて「俺も!」ってやるようになるのかなと期待するのですが、人は人、自分は自分という感じなのでまた少し時間がかかりそうです…。
中谷 恵美
子どもに対してつい、あれこれ制限させてしまいますが、ナップでは先生にお任せできる安心があります。
思い切り自分を出して楽しんで欲しいと思えるようになりました。
コ ー チ よ り
長年子ども達と接していて、私たちがわかったこと。
見守る中で子どもは成長していく。
なっぴ~世代の事情
2才からのなっぴ~くらぶは、午前中にしかない教室として10年以上行ってきましたが、約1年前から午後にも開設し、反響を頂いております。
今になって午後開設した理由として、共働きによる保育園児の増加、3年保育の定着、さらにはプレ幼稚園の存在です。つまり、母子分離の早期化が、今の時代の流れなのです。
ママがイチバン!
とはいえ、ひとり遊び真っ最中の子ども達にとって、側にいて見守ってくれるママの存在は欠かせません。
私たちは、プールの中では代理母として、保護者の方々と共にしっかりスクラムを組み、ひとりひとりの健やかな成長を見守っていきたいと思っています。
子どもの様子をよ~く見ると
私たち代理母は、子ども達ひとりひとりの様子をじっと観察することが大事だと考えています。
連れて来られる保護者の方との会話をもとに、お子さんの表情や言動に気を配っています。疲れている顔をしていれば、『今日は幼稚園で何か行事があったんですか?』
また、浮かない顔をしていたら『何かいやなことがあった?』とヒントを頂き、プール活動が楽しく過ごせるよう配慮していきます。
行動も同様です。トイレトレーニング中のお子さんもおられるので、おしっこのタイミングを見逃さないように気をつけています。自立をお手伝いするのもねらいですから、失敗してもまずやってみることを重視します。
子どもらしさが出せる場所
そして、何よりも大事にしているのは子どもらしさです。ほとんどのお子さんは、入会当初は人見知りをしておとなしいものです。その後は、個人差はありますが、自分を出してきます。それが、言うことを聞かないとか、悪さであったり様々です。
NAPでは、そういった自分を出す行為を歓迎します。小さい子が顔色や空気を読むことは、相当なストレスを伴います。もちろん、『絵本を読んでいる時は、静かにしようね』などのお願いはします。お願い以外の時は、大目にみます。
あき君もそういった段階を踏んで、見事に“あきワールド“全開で、私達は正直楽しませてもらっています。お母さんも葛藤と戦っておられましたが、お話をさせていただきながらこれからも一緒に見守っていけたらなと思っております。
そうした環境で、あとどれくらいという目安はありませんが、あき君は確実に泳力も向上し、子どもらしい健やかな成長を遂げてくれると信じています。だからこそ、お母さんに
『大丈夫です。見守って行きましょう』と言うことができるのです。
当時教室担当 中谷 理絵