ゆいちゃん2才 プール体験記 母より
「今日、プールいくの?」
毎週木曜日の朝、お弁当を作る私の姿を見て娘がニコニコ聞いてきます。
変化がない気がする
がぁがぁくらぶに入会したのは、娘が1歳5ヶ月の頃。
人見知りの激しい娘は、知らない先生やお友達、大きなプールに緊張してカチカチでした。
5ヶ月くらい経ち、少しずつ慣れてはきましたが、泣くことも多く、プールに入ると「だっこ~~」。
毎回浅いところで水遊びをしていました。「なんだか、ビニールプールで遊んでいるのと変わらないな。娘にはまだ早いのかな?」と母はモヤモヤ・・・。
そんな時、新年度から通わせる幼稚園のプレスクールとがぁがぁくらぶの曜日が重なってしまったので、一度退会させようと決めました。
お兄ちゃんお姉ちゃんの真似を始める
ところが、先生にも退会の意思を伝えた頃から、お弁当の後にお兄ちゃんお姉ちゃんにひっついて行き、一緒に遊んでもらうようになりました。
そうすると今度は、大好きなお兄ちゃんお姉ちゃんと一緒に入るプールが楽しくなり、泳ぐのを真似してみるようになったのです。
これまでは「ママとお散歩してみようよ!」と深いところにちょっと連れて行こうとすると大泣きだったのが、
「○○くんとこ行くー。」
と自分から友だちの所まで泳いで行こうとします。
人見知りでなかなかみんなの輪の中に入っていけなかった娘が、自分から友だちと関わり始めたのです。
ハッとしました
娘は娘なりに、ちゃんと成長しているのに、それに気付かず辞めさせてしまおうとしている私。プールで泳ぐ楽しみだけでなく、友だちとの素敵な関わりまで奪ってしまっていいのか?
そんな時西川先生にも自分の思いを聞いてもらったり、家族とも相談したりして、プレスクールの日にちを変更してもらい、がぁがぁくらぶを続けることにしました。
入会してもうすぐ1年
最近、ヘルパーを着けてバタバタしながら泳ぐようになりました。毎週、がぁがぁに来るのを本当に楽しみにしています。
あの時辞めなくて本当に良かった。
「学ぶ」とは「まねる」こと
まさに今、周りに刺激を受けながら、水に慣れることだけでなく集団を通しての関わり方も学んでいるように思います。これからもゆっくり焦らず、娘の成長を見守っていきたいです。
田中 由貴
長年子ども達と接していて、私たちがわかったこと。
子どもの
「見ててね?」
「待っててね?」
西川コーチより 様子を観察しながら
入会したばかりのゆいちゃんの印象は、巻き毛の目力の強いかわいらしい女の子。
私の言葉がけに、表情を変えずにしっかりとこちらのことを観察している意志の強そうなオーラを感じました。
ゆいちゃんの表情や反応に寄り添いながらゆっくりと仲良くなっていこうと思いました。
プレイングルームで歌や手遊び、ボールや絵カードなどいろんな遊びをしていく中で、ママのひざの上でときおり楽しそうな表情を見せてくれるようになったゆいちゃん。
私が関わりを持とうとすると、とたんに表情を固くしてしまう・・・。そんな日々の積み重ねを繰り返し、いつしかニコニコとママのそばから離れて遊びの輪に加わるようになっていきました。
プールでは、その広さなどに圧倒されているのかプレイングルームに比べてなかなか慣れない様子。浅いところでしか遊べなくて表情も固い。大胆に水を楽しめない割に、頑なにママの抱っこや関わりを拒否・・・。ママは、そんな我が子に戸惑い、物足りなさを感じている様子でした。
少し慣れてきたかな~と思っていたら、ママの欲が出てきて、つい口や手が出てしまう様子が気になっていました。
ママの気持ちとゆいちゃんの気持ちの歯車がかみ合わない
ゆいちゃんは、抱っこをせがんだり、泣いてしまったりの日々が続きました。私の中では、私や友だちとの関わりや表情、様子などから、ゆいちゃんがだいぶ打ち解けてきてずいぶん慣れてきたな~と思っていたので、何の焦りもなく、歯車がかみ合い出せば、ゆいちゃんがグッと変わっていくに違いないと思っていました。
けれどもママを見ていると、「もぉっ、なんで~」と心の中の声が聞こえてきます。そんな中、ずっと退会の文字がママの頭をかすめていたに違いありません。
見え始めた成長
退会届けを出したちょうどその日、ゆいちゃんは、ママにしがみつくのをやめて深い方でぷか~っとからだを浮かすことができました。
ゆいちゃんの成長、変化を伝えながら、「いいの?ゆいちゃんもママもこれからどんどん楽しくなるんだよ。」
「せっかく子どもが変わり始めたこのタイミングでやめるのはもったいないんじゃないかな。」と私の思いを伝えました。
歯車がかみ合い始めて
ゆいちゃんの変化に気づいていたママは、私の話をしっかりと聞いてくれました。
結局、退会届けを取り消し、今も元気いっぱいにがぁがぁに通ってきてくれているゆいちゃん親子。それからのゆいちゃんの成長ぶりにはママも私も驚くばかり・・・。ママの力みも抜けゆいちゃんのペースにあわせてのびのびと楽しめるようになってきました。
心の声を聞いてみる
退会届けを出したとたんに、『私の気持ちをわかって~』と訴えるかのように泳ぎだしたゆいちゃん。ゆいちゃんは、『ママがやりたいようにではなく、私の好きなようにやらせて!』
ずっと訴えていたのかもしれません。動かないのは、
『お友達の様子を観察しているの』
『水が気持ちいいな~と身を任せているの』
『今どうしようか考えてるの』
きっとゆいちゃんは、いろいろな思いを抱えていたに違いありません。もちろん偶然とこじつけかもしれませんが、そんな風なメッセージを私は受け取りました。
気持ちに寄り添って
子どもには、つい先に先にと手を出し、口を出してしまいがちな大人達。子ども達はたくさんの葛藤を抱え、心の内面にたくさんのエネルギーをためています。それを意欲として上手に外に排出できるように周りが支えてあげなければなりません。
子どもの気持ちに寄り添うこと、待つこと、見守ることの大切さ、子育ての難しさを思春期の子どもを持つ親としても改めて感じています。
がぁがぁくらぶ責任者
西川 理絵