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「やっと慣れたね」…って本当?
子どもが1歳を過ぎてくると目が離せない大変な日々が押し寄せて来るものだが、我家も妻がそのストレスで日増しに不機嫌になっていったことを思い出す。特に長男の時は…。当然のことながらその矛先は私に向かって来たが、親…イヤ‟大人“になり切れていなかった当時の私はそんな妻を受容できない日々が続いていた。
そんな時、親しい友人夫婦がデイキャンプに誘ってくれたことがあった。育児ストレスを抱える妻を気遣ってくれたのだが、妻は「長男を連れて行くのは無理!」と誘いを拒否。結局友人の奥方が自宅で‟託児“してくれることで決着。
数日後その日がやってきたが、預けようとすると長男は泣いて妻から離れない。その泣き方も半端ではなかった事から妻が行かないと言い出しデイキャンプは中止。妻の育児ストレス解消大作戦は失敗に終わったことを記憶している。
考えてみれば、NAPでも幼児クラス特に2歳児からの教室では、初回泣いて離れないことはあるし、保育園や託児所においてもよく聞く話である。
しかし、それを繰り返していると泣かなくなるもので、みんな「やっと慣れたね!」と喜んでいるが、様々なケースを見て来て今思うことは、泣かなくなるのは『慣れた』のではなく・・・
『諦めた』のではないだろうか。
『諦めた』のではないだろうか。
そうなれば、子どもの心には『離された!』『受け入れてもらえない!』という感覚が残り、一生の心の基盤となる『愛着』に揺らぎが生じてしまう。また、この時期は母親もしくは母親的存在(養育者)に『依存』し『泣く』という行動によりその存在を徹底的に『支配』するが、満たされないまま成長すると、やがて「依存心」や「支配欲」となって先々心に影響を及ぼすように思う。
学校での『いじめ』が社会問題化して30年以上になるが、様々な教育や対策を実施しても減るどころか過去最多件数を更新し続けていることや最近話題の『依存症』を始めとする社会問題もここに原因があるように思えてならない。
なので、NAPの幼児プログラムでは無理やり離さず子どもの『安心』が形成されるまで保護者様に寄り添っていただくが、保育園等ではそうはいかない。国の子育て支援政策ではそのような機関に多額の国費を投じて子どもを預けて働くことを推奨しているが、このような政策が続く限り、いじめを筆頭とする社会問題は増え続けることが想定される。
従って、このような問題が身近で起こることを想定し我子がその当事者とならぬよう今から対策を考えておく必要性を感じる。その第一歩は、預けることが子どもの心に大きな負担を強いることを心から『自覚』することだと思う。そして、子どもに何が起ころうとも親として『責任』をとる『覚悟』が必要な時代であるとつくづく思う今日この頃である。
≪次号につづく≫