「泳ぎ」を身につけるには、水中と言う自由に呼吸ができない非日常環境での特殊な身体バランスを習得しなければなりません。言い換えれば水中での非日常的呼吸法・バランス感覚を如何にして掴むかなのです。そのため、私たちは様々な経験から幼児期、遅くとも学童期前期までにスタートすることが望ましいと考えています。なぜなら、その時期は・・・
- 身体を操る神経系が急速に発達する
- バランスを中心とする身体の動きを感覚として培う
- 胎内の記憶を残している
以上の要素から泳ぎの基礎を超えるためにプールデビューは早ければ早い方がイイのです!
今回は前号につづき「②バランスを中心とする身体の動きを感覚として培う」についてお伝えします。
②バランスを中心とする身体の動きを感覚として培う
おおよそ10歳まで=幼児期・学童期前期(小学校低学年)では『感覚』により身体をコントロールする能力を培っています。この時期に水中活動を行うことで、泳ぎに必要な非日常的呼吸法・バランスを『感覚』として自然に吸収していきます。
また、非日常の特殊なバランス感覚であることから、すぐに身につくものではなく年単位で時間が掛かることから焦らず地道に積み重ねることがポイントです。NAPでも幼児期からスタートした子ども達は小学校低学年ですでに四泳法の習得に至っていますが、小学校低学年とは言え3年以上の“キャリア”があるのです。
そして、水中では呼吸の問題だけでなく、浮力による不安定さ、そして水圧による息苦しさ等、恐怖感・苦しさが伴うため、初歩の段階では心身両面で寄り添わなければなりません。この初歩の段階の対応を誤ると年齢に関係なくその恐怖感・苦しさがトラウマとなり一生引きずってしまうことさえあるのです。そのようにならないためにもこの時期にスタートすることは身体的にも容易に寄り添え、安心を形成しながら無理なく越えることができます。
以上の事からも「泳ぎ」という非日常の特殊な呼吸法・バランス感覚を無理なくスムーズに習得するには、身体の動きを『感覚』で培う幼児期~学童期前期にスタートすることが望ましいと考えています。