中村社長のコラムー「保護者」から「親」へ … 子育ての評価とは?PART17 ~ 全く親を必要としない=「自立」…? 

ついに…東京オリンピックが開幕しました!新型コロナウイルス感染拡大により、延期後も専門家と呼ばれる方々、一部の政治家そしてマスコミにより中止を求める声が広がるなか「強行」ともいえる開催でしたね。

ですが、一生を掛け命を削る想いでオリンピックを目指し戦ってきたアスリートの心を考えると、開催は当然だと私は思います。NAPの卒業生であり日本選手団の副主将を務める石川佳純選手も私達では想像できない苦悩を乗り越え、あの場に立っているのですから。なぜなら、オリンピックとは他の世界大会と全く違う世界最高峰の「祭典」。だからこそ、そこに数々の「感動」があり、それがコロナ禍であっても前を向ける私達の活力となりますね。

 

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あっ!という間に5年が経過

さて、不登校児だった次男が社会人となったことを節目に書き始めたコラム『保護者から親へ…子育ての評価とは?』。昨年からその総括として子育ての目標とも言うべき「自立」をテーマに書き綴っていますが、あれこれ申し上げている間に連載を始めてはや5年、我が子達も今年で長男30歳・次男28歳・三男26歳になりました!

これまで我が子の不登校(引きこもり)を題材に子育てについて論じてきましたが、分かったような理屈を並べても、実際のところ自分の子どもがどう成長しているかが問題ですね。

なので、今回は子ども達、とりわけ我が家の不登校第一号である次男の現在を題材に自立を考えてみたいと思います。(昨年末帰省した時のエピソードをご紹介します)

次男は現在鹿児島市在住、住宅メーカーの営業マンとして活躍…と言いたいところですが、最近の成果を訪ねてみると、コロナ禍が押し寄せてから殆ど契約が取れていないとのこと。その中で一旦契約した顧客から発注直前にキャンセルを食らった…と話し始めました。その顧客は次男と同年代の若い夫婦。キャンセルは「親に反対された」という理由だったようです。

 

自分の「失態」を親に語る次男

次男はキャンセルまでの経緯を話した後「自分の考えが甘かった…」と前置きをし「親との関係を聞いておかんとイケンかった…」「早い段階で親に会っておくべきだった…」等と反省を口にした後「若い夫婦は親との関係が大事と言うことがよく分かった!」と語っていました。

次男としては、コロナ禍により業績が落ち込むなか、やっとの思いで契約にこぎつけた顧客、それに加え同年代ということもあり、自分の事のように捉え設計提案から資金計画に至るまで、ひと際想いを込めて関わっていたらしく、落胆の色は隠しきれない様子でした。また、口にはしないものの一旦は契約を取り付けているので、次男の社内での評価は悪化しているのではないでしょうか。

 

自分は悪くない・・・責任転嫁

多くの場合、失敗したり上手くいかなかった時「自分は精一杯頑張った」「自分は悪くない」という心が働き、自分を正当化するために悪者探しや、自分以外にその要因を求める、いわゆる他者への責任転嫁・責任追及に走りがちです。そう考えると今の世の中、そんなことは日常茶飯事ですね。テレビのワイドショーを始めとする報道番組等は日々「悪者探し」と「責任追及」の繰り返し。今回のオリンピックの開催についても、数々の辞任・解任劇の中心人物はその餌食(えじき)となったと言えるでしょう。こう考えると現代の「常」と言えるかもしれません。

ですが、現実的には悪者探しをしても何も解決せず、同じ失敗を繰り返す等、人間としては何の成長もありません。何より「不快」な気持ちが残るだけで良好な人間関係を維持できず、自分自身が孤立してしまいます。

ですから、「楽しく生きる」ためには、自分自身が成長し続ける必要があり、そのために「良好な人間関係を構築・維持する能力」その基盤は「自己責任能力」だと私は考えています。

 

自分の内面に問いかける=自己責任

その視点で次男の語ったことを振り返ると、今回の契約キャンセルは次男の「失態」だったわけですが、その要因を周囲に求めるのではなく、まず自分の内面に問いかける志向が感じられます。また、これまでも会社や上司を始めとする周囲への愚痴や批判も全くと言っていいほど次男の口からは聞いたことはありません。

それどころか先輩営業マンや銀行を含む取引先とも良好な関係を築いているようで、それが高じて昨年27歳にして銀行から多額の資金を借入れオーナーとして自分名義のアパートを建設するなど、親としては考えられない道に走っている状況です。このような次男の行動をみると「良好な人間関係を構築・維持する能力」とりわけ「自己責任」を自覚しているようです。

考えてみると、他者の言うことを聞いて失敗すれば周囲に責任転嫁・責任追及をしたくなりますが「自分で決めた」という心があれば、失敗したとしても周囲に求める前に自然と自分の問題点=責任を考えるものですね。

 

自分に軸を置いた行動スタイル

過去を振り返ると、幼少期は親の言うことをよく聞く「良い子」だった次男が小学校4年で不登校、約1年半の引きこもり生活の後、6年生の2学期から登校。そこからの次男は幼少期とは全く違い、親の言うことよりも自分の意志を優先し、進路や就職をはじめすべて自分で決めていきました。

以前のコラムでお伝えしましたが、心の成長として本来2歳~4歳の段階での「意志」の感覚の獲得を、不登校によりやり直したことが現在の行動スタイルの基盤となっているように思います。

こうなると、全く親は関係ないと言わんばかりで、親離れしているというか、親を上手く利用しているというか…つまるところ、自分に軸を置いた人生を歩んでいるような気がします。

お陰で「子どもは親の思い通りにはならない」というよく聞くフレーズをイヤというほど思い知らされることにはなりましたが…(笑)

 

自己責任は自由な生き方の基盤

以上、次男の現在の状況から「自立」を考えてみましたが、一緒に生活している訳ではないので本当のところは分かりませんが、失敗しながらも自分の足で歩いているようです。

最後に、この話には続きがあるのです。人の批判をしないと言いましたが、最後にこんなことを言いました。

「お客さんだから文句は言えンけど」と言いつつ

「なんで親に言われたぐらいでキャンセルするンか!全く理解できン!」と真顔で言い放ったのです。

一連の話を黙って聞いていた私ですが、これには思わず「(自分の)親の前でそれを言うか!」と…笑うしかありませんでした。

まぁ、 全く親は関係ないようですね。これを「自立」というのでしょうか? 難解な問題ですね!?

 

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